みんな元気ですか
昨日の続き
僕は友達の風さんにしばらくぶりに会って今までの話をすることにした。
風さんは僕の話をいつものようにニコニコしながらじっと聞いてくれた。
パリでの話、ハワイでの話、アメリカのセドナでの話し、安芸の宮島、富士山等々、僕は一気にしゃべった。
もちろんビジョンを使った大容量電送方式で・・・だから長い話も一瞬で伝わる。
そして風さんが自然神の分身だと僕が気がついたことも・・・
風さんはうれしそうに僕の話を聞いていた。そして僕に言ってくれた・・・
「イッピー、短い間によくそこまで経験したね。その貴重な経験の一つ一つが君の力になるんだよ」って。
風さんの話し方はやっぱりなぜか神様みたいだった・・・
僕はそれを聞いて本当にうれしかった。
だって僕がしてきたことは間違っていなかったんだって確信が持てたから。
先に進む事を僕は決めていた。
それは自分でも知らないうちに自分が背負った使命かもしれない・・・
僕は思うんだ。
もしそれを僕が初めから知っていたら僕は決してこの選択はしなかったんだろうって・・・
みんなが僕を応援してる。みんなにはそれぞれ自分の大きな役割がある。そのために持ち場をはなれることは出来ない。だから僕にその使命を託した。重さにおしつぶされそうな気持になることもある。でもみんなの笑顔を思い出すと僕には自分でも信じられないような勇気が湧いてくるんだ。
風さんと話をしながら僕は自分ではっきりとその使命の意味を自覚した。
いままでその意味を知らなかった自分を自覚したんだ。
僕はみんなをつなげる事が僕の使命だと思っていた。それが僕の役割のゴールだとぼんやりと思っていた。だからその使命がぼんやりと重いものだとしか認識できていなかったんだ。
(つなげるってどういうこと?どうやって?)
姿の見えないものは怖いし、恐ろしい敵に思える。何かわからないものはどうやって攻撃したらよいかの作戦も立てられない。
しかし今まで思っていたゴールは単なる手段にすぎないことを風さんと話をしていくうちに僕は自分でわかったんだ。
(あるいは風さんがうまく誘導したのかも知れない・・・)
・・・それは大きな気付きだった・・・
幼年期の終わりを迎えた人類の進化を進めて新たな人類の成長をもたらすこと・・・
それは人間が今までとは全く違う能力を持った人類になるかもしれないこと・・・
そのきっかけを作るのが本当の僕の使命の意味なんだ。
その戦いに敵はいない。さえぎるものもいない。途中で僕はふと思ったことがある。こんなに大きな使命を果たす時には必ず悪魔の使者みたいな邪魔が入るのがいつものゲームのシナリオ・・・でも今回はそんなものはいないし、今まで出て来なかったんだ。それが少し不思議な気がしていた。
でもそうじゃない。見えない敵は自分の心。目標をはっきりとわかっていない僕の心が敵だった。
僕は風さんにうまく乗せられたのかもしれない・・・でもそれはもう大したことじゃない。
今では僕が望む事だから。
人類の進化は自らのDNAに組み込まれているのかもしれない。
だとしたらぼくはその背中を押すだけでいい。
(おー、なんて知的な表現・・・とまたまた僕はちょっとナルシス)
そこまで話すと風さんは来た時と同じようにピューっと去って行った。
その方法は・・・と言いかけた僕をあとに・・・
それも風さんのメッセージ・・・
君が自分で見つけるんだよって。
もう僕にはそれで充分だった。
僕は次にラヒーリオに会うことを決めていた・・・
(確信と自信に満ちた強そうな僕・・・)