地球(テラ)の旅立ち HAWAIIAN WEDDING SONG

みんな元気ですかドキドキ

今日も僕は夢の中でファルコンになって遠くまで飛んで行った。

ハワイの上空を飛んでいる時にとても心休まる楽しそうな音楽が聞こえて来た。

ここはマウイ島。

夕暮れの砂浜では今結婚式が行われようとしていた。

僕はその光景をしばらく眺めることにした。

近くに寄って行っても僕の姿は誰にも見えない。

だから僕はしあわせなカップルを近くで祝福することにしたんだ。

その結婚式はとても質素だった。

観光客がよくやるような、やっと予約が取れる大きな教会の式とは比べようもない。

もちろん牧師さんもいない・・・

その土地に伝わる昔からの伝統的なハワイの結婚式だった。

夕暮れの砂浜に”KE KALI NEI AU"と書いてある横断幕がかかっている。

それで土地の人も今から結婚式があることを知る。

そして祝福したい人は誰でも祭壇に白いカトレアの花やプルメリアの花びらをおいて行く。

参加しているのは20名とちょっとくらい。

花嫁のお父さんとお母さんが泣いている。

もちろん喜びの涙・・・

だから若い二人が祝福されて結ばれたことが分かる。

夕暮れのビーチには参列者の坐る長椅子と式の食事のためのテーブルがそろえてある。

ビーチの4つの隅には参加者のみんなを囲むように大きなトーチが赤々と燃えている。

僕にはそれが結界(けっかい)だということが分かった。

結界は神聖な場所のための仕切りのようなもの。

その中には祝福する精霊だけしかはいれない。

男女のデュエットがギターでハワイアンのお祝いの歌を歌っている。

まだ小さい男の子と女の子のダンサーが曲に合わせてフラを踊っている。

小さいけど二人のフラダンスは本当に上手。大人顔負け・・・

後で聞いたら二人のダンサーは新婦の小さいいとこたち。

だけど厳しい修行を積んだプロの踊り手。

ギターの音楽とフラダンスは周りを調律しているように空気が静かに揺れていた。

間もなく大きな夕日が沈む・・・

反対にトーチが少しずつひときわ明るくなって行く・・・

ビーチに寄せる波とさわやかな風と背の高いヤシの葉の揺れる音も絶えることのない音楽・・・

今から式が始まる。

太った女の人がその結界の中に入って来た。

その人が今日の式をつかさどるんだ。

僕にはすぐにその人がどんな人かわかった。

その人はとても力の強いカフーナ。

カフーナはもともとハワイの王族に仕えるシャーマン。

カフーナの中でも長老をクプナと呼ぶ。

クプナはあたりを見回すとにっこりほほ笑んだ。

彼女はその一瞥で周りに来ている天使たちや精霊が誰だかわかったんだ。

天使や精霊はお祭りみたいな楽しいことが大好き。

だから雰囲気だけで集まってくるんだよ。

僕がいることもすぐに分かったみたい。

だけど一瞬目があっただけでそこにいることを許してくれたことがわかったんだ。

それはとても温かい眼差しだった。

僕はますますうれしくなった・・・

彼女は参列者と土地の精霊にこれから式を始める宣言をすると用意してきた大きなコンチシェル(ハワイのホラ貝)を吹いた。その音色はとても澄んでいるけど力強い音を出した。そして沖のはるか遠くまで響いた。その音であたりが一斉に浄化されたのを僕はびっくりして見ていた。

それからクプナは周りの精霊に念入りに祈りをささげた。

火山と大地と海と空と風と森と火と水と・・・そして死者の霊にも・・・

マウイの海岸は必ずしも平和な歴史だけの場所ではないこともそれで僕にはわかった。

でもその場所はクプナの結界でしっかりと守られていた・・・

結婚式はとても厳かに続いた・・・

食事が始まる前にクプナが参列者ひとりひとりに精霊と先祖の声を届けた。

みんながその言葉の一つ一つに感動にうち震えた・・・

一番年をとったおばあちゃんはなくなったおじいちゃんの声を聞き・・・

老人は昔の戦友の声を聞き・・・

ある夫婦は最近まで可愛がっていた老犬の心からの感謝の声を聞き・・・

若者はこれからの未来を生きてゆくための勇気をもらい・・・

それはひとりひとりが今生きている意味を告げるものだった・・・

素朴だけれど心豊かな結婚式・・・

その場所の自然がみな一つになって二人を祝福していた・・・

僕はその場にじっとして飛ぶことも忘れていた・・・

感動で涙が止まらなかったから・・・・・・

(この続きはいつかまたね・・・パー

イッピーの独り言

(音譜ハワイアン音譜は僕には眠りのマジック・・・ぐぅぐぅ

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