みんな元気ですか
昨日の続き・・・
二人はマリア様に別れを告げて感謝の儀式を終えるとセドナを離れパリに飛んだ。
精霊の時空移動は瞬間的。
目的地をイメージするとすぐにもうそこに着いてる。
でも行った事がない場所だと少してこずる。
ラヒーリオはパリが初めて。だから僕のあとをついてくる。
でもラヒーリオもジュヌビエーブとエネルギーの交感をしてるからパリまで飛んでくるのはそれほど難しいことじゃない。精霊同士はいったんエネルギーの交感をすればミサイルの赤外線熱探知機みたいに地球上の何処にいてもお互いの居場所がすぐにわかるんだ。
前回ハワイのマウイ島のハレアカラ火山の頂上で地球のチャクラを守る精霊(と人間が一人・・・)が全員集まった時以来、地球のチャクラの精霊はみんな家族みたいなものだからいつでもお互いが大歓迎。
みんな地球の本当の仲間・・・(この場面のリンク11月22日記事→地球(テラ)の旅だち 11 ハレアカラ
)
ラヒーリオにとってパリは見るものすべてが珍しくて何でも見たがる。
僕は時間がもったいなかったけどジュンに会う前に少し彼のパリ市内探訪に付き合うことにした。
精霊はその気になれば人間の100倍くらいのスピードで物事の本質に迫ることが出来る。
パリは今初夏。太陽の光が並木道に輝いている。マロニエの裏と表の色が違う葉っぱが光を反射してキラキラしている。
僕たちは観光客みたいにエトワール(凱旋門)からシャンゼリゼ大通りの緩やかな坂を下ってルーブル美術館までの4キロ程度を歩いてみる。
たくさんの人が歩いているからぶつからないように気をつける。
パリは冬が長いから初夏になるとみんな元気に歩く・・・
ぶつかっても僕たちは精霊だから相手は何も感じないけど・・・一応礼儀だから・・・
時々犬を連れて歩いているパリジャンが通る。
その犬が僕を見て不思議そうな顔をする。
僕は今はファルコンだけどおなじ犬の臭いがするのかもしれない。
見えないはずの僕を犬が見ている。
犬にはぼくの姿が見えているんだ。
でもパリの犬は犬同士すれ違っても決して吠えない・・・
ラヒーリオはいま覚えたフランス語ですれ違う人をよけながら「パルドンムッシュー」とか「パルドンマダム」とか言ってる。
きれいなパリジェンヌとすれ違う時には「ボンジュールマプティット、コマンヴァチュ(やあ、調子はどう?)とかまるで知ってる人みたいに声をかけてる。
可愛い小さなお嬢さんを見ると「オーララ!コムチュエミニヨン!(なんて君は可愛いんだ!)」とかも言ってるし・・・
いつの間にフランス語を覚えたんだろう。
まー、精霊は言葉くらいは簡単に覚えるけどね・・・
彼は本当は少しプレイボーイかもしれない・・・大丈夫なのは分かっているけど僕は少し心配になって来た・・・
でもパリは恋の街・・・少し大目に見ることにする・・・ってなぜだか保護者みたいな上から目線の僕・・・
特に今はランチタイムで人通りが多い。
通りの両側のオープンカフェでたくさんの人がサンドイッチやクロックムッシュー(具入りチーズ揚げパン)をほおばりながらワインを飲んでいる。
ラヒーリオはみんなが昼間からワインを飲んでいるのに少しびっくりしてたみたい。
メディスンマンには儀式の時以外は飲酒の習慣はない・・・ましてや昼間から。
メディスンマンは意外と身持ちがかたい・・・
パリの道沿いのカフェの椅子は全部通りを向いて坐るように並んでいる・・・
だから並んで座る人々は同じ方向の同じものを見てる。
お互いが向き合って坐る形になると議論をしたい時にはいいけど、同じ物を見ている感覚で親しい話をするには向いていない。
この椅子の並びの意味をラヒーリオは一瞬で見抜いた。
コミュニケーションのチャクラの街の姿・・・
やっぱ精霊の洞察力はすごい・・・
通りの両側にはそれほど高い建物はない。高さの制限があるから。
ラヒーリオはどの建物にも彫刻があるのに興味を持った。
どんな彫刻にも作者の魂が込められている。
それとは別に独り歩きした作品としての意識が宿っている。
前にも書いたけどパリには「アンプールサン(1%)」と言う条例がある。(建造物の1%の予算で芸術作品を作ると言う決まり)(参考11月10日記事リンク→パリは燃えているか 3
)
だから芸術家は腕を競う。
ちょっとした建物にも本物の輝きを持つ作品が添えてある。
彼はその一つ一つ(の意識)に話しかけている。
褐色の上半身裸に近いまるで究極の美の彫刻みたいなネイティブアメリカンに話しかけられてビルの彫刻たちもみんなうれしそうにおしゃべりに付き合っている。
ラヒーリオが芸術作品の精霊にみえるらしい。
それもわかる気がする・・・
彼は実はすごくきれいな顔をしているんだ。
もともと精霊は男性も女性もきれい。
でもラヒーリオはその中でも本当にきれいなんだ。
それに彼は真剣な時はとても謙虚。
だから建造物に造られた彫刻たちもいやな気はしない。
彫刻や芸術作品達は自分たちの役割や意味や作者のことををそれぞれがラヒーリオに語っている。
彼は話を聞き出すのが実に上手。
これもパリのチャクラのせいだろうか・・・
僕はこの市内探訪が僕たち二人にとって必要だったんだって事に気付いた・・・
彼は忙しくこの街の情報収集をしている。
僕はそれには立ち入らないで少し離れて見ているだけ。
ファルコンとメディスンマンの組み合わせも見た目はなんだか奇妙。
見える人がみたらと思うと少し気恥ずかしいし・・・
僕たちはシャンゼリゼ大通りの終点のコンコルド広場までやって来た。
エジプトから運ばれた大きなオベリスクが広場の真ん中に立っている。
ラヒーリオはフランスの戦いの歴史もそこに見ていた・・・
また僕はラヒーリオの洞察力の鋭さを知らされる。
知るべきものは決して見逃さない。
彼は地球の第3の目のチャクラの精霊・・・
その向こうはルーブル美術館。
短い探訪の旅ももう終り・・・
僕たちはパリの芸術の精霊・・・地球のコミュニケーションのチャクラの精霊・・・そして僕の大事な人・・・ジュヌビエーブを探すことにした・・・
続きはまたね・・・
(すごくきれいなジュンにまた会えるから・・・少し緊張の僕)