みな元気ですか
近所のおばあさんはいつもスズメ達に残りもののご飯つぶをあげていた。
スズメたちはこのおばあさんと友達なんだ。
お返しにスズメたちはおばあさんの家の庭に花の種を糞に入れて運んであげた。
だからおばあさんの庭は季節ごとに違う花が綺麗に咲いていたんだ。
ある日おばあさんはスズメたちに向かって愚痴を言っていた。
「私はいつも子供たちに一番いいことをしてあげた。
朝は一番早く起きてみんなの世話をした。
寝る時も一番遅く寝てみんなのために働いた。
お菓子を食べる時には子供たちが一番おいしいところを食べられるように私は我慢して一番小さいのを食べた。
自分が我慢すればみんながその分幸せになると思っていたんだ。
でも子供たちは女なんて自分の母親みたいに男につくすのがあたりまえだと思って育った。
だから結婚をしてもうまく行かなかった。
お嫁さんは怒って出て行ってしまったんだよ。
私はいつも一生懸命にやったのに何がいけなかったんだかねー」・・・と。
僕は思うんだ・・・
このおばあさんにはとても救いがあるって・・・
だっておばあさんには友達のスズメさんたちがいる。
しかもそのスズメさんたちが恩返ししてくれる。
だから一年中庭に綺麗な花が咲いている。
それに子供たちもいつかきっと気がつくよ。
自分たちのお母さんがとても優しかった事に・・・
(子供たちが早く気付いてあげるといいな・・・素敵なお母さんだってことに)