みんな元気ですか
きのうの続き・・・
僕は風さんに聞いたんだ
なんでカマキリさんにその冬の雪の積る高さがわかるのって
風さんの答えはこうだった
それは森が教えてくれるから
森は一つの意識を持っている。
樹木の根や枝は脳神経細胞。
その集合体は人智のおよばない意識を持っている。
木の言霊は気・・・すなわち気配を認識する・・・強力な意思を持つ。
人は深い森にはいるとそこになにかがいることを感じる・・・
それは森の気・・・それは大いなる意識。
森の中には大きな年をとった木がいる。
その中でも特にかしこい木がボスの様な役割をする。
ボスの木はひとりでに決まる・・・誰かが決めるとかじゃない。
ボスの木はいろんなことを知っている。
ボスの木は大地や風やいろんな小さい生き物や大きい動物と友達。
その友達はみんながちょっとずつ森の事やそれ以外の事を知っている。
そしてみんなから森の中や外で何が起きているかを教えてもらう。
だからってどうやって未来がわかるの?と僕
風さんは答える
ここからが少し難しいんだけど・・・
“何か”はある日突然起きることはない。
いつもその“何か”が起きるときはそのための原因がある。
そしてその原因が出来たときにつながって起きる結果はたいていは予測が出来る。
なぜなら原因と結果は川の流れみたいに一つにつながっているから。
それはまるで赤ちゃんが這い這いをしていった先に何があるか見ている母親の見守る目
だからボスはその冬何が起きるか知ることができる。
みんながお互いを必要として生きている。
カマキリがいなくなると森は困る。
一つの種が絶滅するとあらゆる生態系に影響がでる。
・・・するとボスも困る・・・森も困る・・・世界の平和が乱れる・・・
東京で蝶が舞うとニューヨークで嵐がおきる。
樹木は風を動かす・・・風は嵐を呼び雲を動かす・・・雲は雨を降らせる・・・雨は山を走り・・・川に注ぐ・・・
河は海に注ぐ・・・水が循環する・・・生き物が潤う・・・樹木は命をつなぐ・・・
すべては一つにつながっている。
だから森のボスはカマキリに・・・冬の雪の高さを教える。
彼らが絶滅しないようにと。
賢者のボスの木が言う・・・
みんなで一つになって大きな叡智のかたまりになれば意識は限りなく広げることが出来る・・・と。
僕には風さんを通してそのボスの声が聞こえた気がした・・・
「わかった。ありがとう」と言って僕は風さんにさよならを言った・・・
少し歩いてから後ろを振りむかずに小さな声で「また教えてね」って言った・・・
そしたら風さんが言った・・・
・・・「僕は君の友達・・・」
(深い森で道に迷った時に・・・誰かの気配に助けられた事を思い出してる僕・・・あれは誰だったんだろう・・・)