みんな元気ですか
こんな本のタイトルは聞いたことがありましたが
内容は最近知りました・・・
骨肉腫の為に右足を膝から下で切断、
のちに肺に悪性腫瘍が転移したことにより
若くしてこの世を去った医師井村和清が
家族に対する思い等を綴った遺稿
(原題は「ありがとう、みなさん」、自家出版)が
表題の「飛鳥へ、まだ見ぬ子へ」のタイトルで以前映画化されていました。
表題の「飛鳥」は長女の名、「まだ見ぬ子」とは、
亡くなった当時に妻のおなかの中にいた子(次女の清子)のこと。
作者の井村和清が残した文章です・・・
この文章をちゃんと読めるあなたは・・・幸せな人です。
この文章をちゃんと読む気にもならないあなたも・・・幸せな人です。
『あたりまえ』
あたりまえ
こんなすばらしいことを、みんなはなぜ、
よろこばないのでしょう
あたりまえであることを
おとうさんがいる
おかあさんがいる
手が2本あって足が2本ある
行きたいところへ自分で歩いて行ける
手を伸ばせば何でも取れる
音が聞こえて声が出る
こんなしあわせはあるのでしょうか
しかし、だれもそれをよろこばない
あたりまえだと笑ってすます
食事が食べられる
夜になるとちゃんと眠れ、そして又朝が来る
空気を胸いっぱいに吸える
笑える、泣ける、叫ぶこともできる
走り回れる
みんなあたりまえのこと
こんなすばらしいことを、みんなは決して
よろこばない
そのありがたさを知っているのは、それを
なくした人たちだけ
なぜでしょう
あたりまえ
(僕はとっても幸せなんだ・・・シミジミ~
)