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日本昔話より・・・![]()
夢を買う
昔むかし旅の絵描きとあきんどの二人が野原の大きな木の下で
一休みしていました。
二人は知り合いになってお互いの事を話し始めました。
あきんどはその頃商売がうまく行かずほとんどお金を持っていませんでした。
絵描きはあきんどの退屈な話しを聞きながら寝いってしまいました。
すると不思議な事が起きたのです。
絵描きの鼻から大きなウシバエがもぞもぞ出てきて
飛んで行ってしまったのです。
しばらくするとそのウシバエはまた戻って来て
絵描きの鼻の穴に戻ってしまいました。
絵描きは起き上がると不思議な夢を見たといいました。
ここから離れたところにたいそうお大尽(お金持ち)の家がある。
その家には白い椿の花が咲いていて
その椿の下をウシバエがぐるぐる回るのでそこを掘って見たら
黄金がいっぱい詰まったツボが出て来たという・・・。
あきんどはたいそうその話に興味を持ったのです。
そして絵描きのその夢をなけなしの小銭を出して買う事にしました。
あきんどはやっとそれらしいお大尽の家を探し当てて
その家に奉公することが出来ました。
春が来ました・・・。
しかしその家の椿はすべて赤い色をしていました。
彼はがっかりしましたが次の春までもう一年待つことにしました。
そして翌年の春が来ました。
すると赤い椿の間に一本だけ白い花を咲かせる椿の木がありました。
あきんどがさっそくその下を掘って見ると
なんと黄金がいっぱい詰まったツボを見つけたのでした。
それであきんどはたいそうお金持ちになりました。
あの時夢を買った自分にたいそう感謝したそうです。
(それ以来一生懸命に夢を見る僕・・・むむ~・・・今日もダメかあ~・・・
)

