ある老人病院で 2

みんな元気ですかドキドキ

きのうの続き・・・グッド!

『イッピーままの独り言・・・』

この病院でアロマトリートメントを始めさせていただいてから

もう10年がたちました。

その間に積み上げたカルテは6000症例になりました。

いろんなお客様との出逢いがありました。

入院患者さまと患者さまのご家族もたまにお客様として来られます。

皆さまがリピーターです。

毎週毎週リピートして下さるんです。

皆さまがご高齢でどこかにご病気をお持ちです。

起きて歩ける方

あるいは車いすで移動ができる方は

敷地内のサロンまで来ていただきます。

でも来られない方は病棟までおたずねして

トリートメントをさせていただきます。

お客様の病状やお身体の状態

それに皮膚の状態など

健常者やお若い方には必要のない

気づかいや気配りが必要です。

担当の看護師さんとの細かい打ち合わせや

トリートメントスタッフどうしの申しお送りがとても大切なんです。

ですのでお客様お一人お一人のカルテがとても大切になります。

ご高齢者は皮膚が極端に弱かったり

皮膚の感染症にかかっている方もおられます。

骨粗鬆症で手足の骨が極端に繊細な方もおられます。

チュウブがつながっている方もおられます。

マッサージの圧や触れかたにはとても気を使います。

それにご高齢者にはわがままな方もおられます。

フットバスの温度等にも神経を使います。

普通のトリートメントとはある意味全く別物なんです。

従いましてトリートメントスタッフにもそれなりの

資格と現場でのトレーニングが要求されます。

それに・・・

ご高齢者のトリートメントはそれだけじゃないんです・・・

こんな方がいらっしゃいました。

Yさまは85才女性。

初めての時はご家族がご一緒に車いすを押して来られました。

その日のメニューはフットトリートメントです。

でも様子が変なんです。

サロンに着くと車いすの両脇をしっかりとつかんで離さないんです。

表情は極度の緊張にこわばり手足も固まっています。

眉間に深いしわが寄っています。

看護師さんの説明によると前にいた施設で

行動を強制されて怖い思いをされたようなんです。

しっかりとつかんだ車いすの両手を

無理矢理はがされたりしたようなんです。

Yさまが抵抗されるのでかなり強い力で・・・

Yさまはそれが怖くて仕方がありません。

精神的におかしくなってしまわれたのです。

すべてに拒否反応を示すようになって自分の

内に閉じこもってしまうようになってしまいました。

今回もサロンに連れて来られた時に

トリートメントスタッフの看護師さんと少し違う白衣を見て

以前の恐怖がよみがえって来たのでした。

スタッフは子供に話しかけるようにYさまに

自分たちは介護やリハビリをするのではないこと

少しも怖くないことを丁寧に優しく説明します。

少しずつ少しずつこわばった足をフットバスで解きほぐしていきます。

精油のブレンドも緊張を解きほぐすことをメインに考えます。

マッサージと同時に優しく静かに時々話しかけます。

あたたかいフットバスと気持ちのよい香りのマッサージで

緊張が解きほぐれて終わるころには

眉間のしわがすっかり取れていました。

それには看護師さんがびっくり。

今までにこんな事は無かったと言ってくれました。

なんとその看護師さんは

それほど違いがあらわれるなら何がいいのか知りたいと言って

ご自分で後でトリートメントを受けに来られたのです。

うれしい喜びでした。

ご高齢者のトリートメントは細かい気配りが必要です。

でもYさまのように見る見る違いが表れて来ます。

それは目に見えない心の違いなんです・・・

言葉が全く出なかった患者さまが何カ月ぶりに小さな声で

「ありがとう」と言ってくれた時にはご家族がびっくりされました。

表情が全くなかった方に笑顔が見えてきたり

きのうのGさまのように笑いを振りまく方もおられます。

皆さまが人生の尊い先輩です。

お話をふると自慢げに現役時代の事をお話しされる方もおられます。

事業経営について貴重なアドバイスをいただく事もあります。

時にはトリートメントスタッフとお話しが弾み

現役時代の部下と勘違いされるようなこともあります。

忘年会の2次会の席の予約をしなさいと命令されることもありました。

水を向けると皆さま華やかだったころの思い出を生きているんです。

ある方は英語で部下(トリートメントスタッフ)に英語でお話しされます。

すると心得たスタッフは

「OK boss, Good boy!」とか訳の分からない返事をしたりします。

すると周りでは大笑い・・・

ご高齢者のアロマトリートメントでは

話しかけと傾聴(聞いてさしあげる)がとても大切な要素なんです。

定期的に臨床心理士の先生と勉強会も致します。

こんな風に心が通い患者さまやご家族から

感謝のお言葉をいただく時が私たちスタッフにとって

何物にも代えがたい喜びです。

ここでのお客様は皆さまご高齢です。

平均年齢86歳くらいなんです。

だから毎週来られていたお客様が

ある日を境にお見えにならないことがあります。

そんな時はみんなで涙します。

楽しく笑いを振りまいていたお客様のお顔を想いうかべて・・・

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イッピーの独り言

(思い出に浸ひたる僕・・・しみじみ~目

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