セドナの精霊ラヒーリオ 地球(テラ)の旅立ち番外編

みんな元気ですかドキドキ

セドナの精霊ラヒーリオとの出会い・・・グッド!

僕の陽気な友達・・・

先日のクリスマスのコンサートでは素晴らしいバリトンを

披露してくれたラヒーリオとの出会いはこうやって始まった。

ファルコンになった僕はセドナの森でひとりの少年と出会った。

少年は15歳くらいに見えた。

実際の年齢はわからない。

年の割にはたくましい筋肉とつややかな褐色の皮膚。

何よりも気高さの宿るその表情には高貴な家系の出自がうかがい知れる。

おそらく大きな部族の何代も続くメディスンマンの家系だ。

僕は小高い岩場に坐ってあたたかな日差しの中で森の息遣いをじっと聞いていた。

森には風や葉っぱや生き物が作り出すいろんな音がある。

静寂の中ではその一つ一つがオーケストラのパーツのように聞こえてくる。

そして全体が一つになると素晴らしい音楽になる。

命の喜びの歌や友達を迎える歌・・・

その交響曲をじっと聞いてたらふっとあたりの気配に違和感を覚えた。

僕にはそれが人が近づいてくる気配だとすぐに分かった。

その少年は僕がそこにいることが前からわかっていたようにブッシュを分けて近づいてきた。

そして怖がりもせずに僕に声をかけた。

「やあ、こんにちは。僕の名前はラヒーリオだよ。そこに一緒に座っていいかい?」と。

僕は少年がひとりで来たのがわかった。

そして答えた「もちろんだよ。しばらくお話でもしていくかい?」と。

そして「僕が怖くないのかい」と聞くと、

彼は笑って「ちっともこわくないよ。

だって君はとてもやさしいファルコンだってすぐにわかるもん」と答えた。

僕はそれが夢の中だって事はわかっていたけど、だんだん現実との区別が曖昧になっていいった。

その不思議な魅力を持つ少年としばらくお話をすることにした。

彼は自分の家族の事や、兄弟のこと。

そして今この森でイニシエーションの最中だって事などを誇らしげに話してくれた。

イニシエーションとは男の子が大人になる修行を兼ねた儀式のこと。

でも僕にはその修業自体が彼にはもう必要ないほど彼がいろいろな経験を積み、

メディスンマンとしての知識を十分に持っていることも分かった。

彼にはすでに鳥や動物の友達が沢山いた。

そして風や樹木と話をする方法も知っていた。

だから森の中でひとりで生きていく事は少年にとっては何でもないことだった。

食べ物はそんな友達が必要な時に必要なだけとれる場所を教えてくれるんだ。

何よりも彼は素直で謙虚だった。

だから大自然の友達はいつでも喜んで少年の手助けをしたんだ。

彼は自分がホピ族のメディスンマンの家系だということを教えてくれた。

セドナはプエブロ族が守っている。

ほかの部族は入れない事はないが遠慮する。

ホピとプエブロは戦いはしないがあまり交流もない。

離れた土地にお互いが住んでいる。

でもお互いの部族に共通の交流を持つアナサジ族とは親しい。

だから彼はアナサジの仲介でこのセドナで修業をすることになった。

イニシエーションの間は食べ物は捕るが決して森そのものを荒らすことはない。

それはどの部族でも共通のルール。

もちろん自分の部族からの手厚い贈りものも届けていた。

だから彼は快く受け入れてもらっていた。

ホピは平和を愛し、霊的世界を追求する部族。

アナサジはずっと昔に戦うことをやめて崖の横穴に住む部族。

高い崖の中腹なら敵に攻められても戦いをしないで済むから。

プエブロは粘土を天日で乾燥させた煉瓦で家を作る。

それぞれが全く違う生活様式と文化を持っていた。

少年はしばらく話をしたあとに突然僕に聞いた・・・

「君は日本から来たんだよね?」って。

「そうだけどなぜだい?」と僕。

少年はそれから思いがけない話を始めた。

彼の先祖ははるか昔にもともと日本から来たこと。

当時日本と樺太、ロシア、アラスカは大航海をする必要もないほど島がつながっていたこと。

(今のアリューシャン列島は地続きだった。)

その当時はアリューシャンはあたたかくて広葉樹が沢山あったこと。

(今でも地面を掘るとブナやナラの葉っぱが大量に出てくるらしい)

先祖はそこを歩いて渡って来たことを。

そして何よりも言葉の多くにその名残りがあることを教えてくれた。

ホピ族は「保霊」(ホヒ)が名前の由来。

カナダのユーコン河は「雄渾なる川の流れ」がその由来。

雁は渡り鳥で、ミシガン州は雁の通り道だったこと(道雁

アナサジ族の名前は穴居生活をする人と言う意味。

(海幸山幸は漁業をする人、狩猟をする人の意味だが、穴幸は穴に住む人”あなさち”の意)

・・・等々

ひとしきり話をすると少年は

「僕もう行かなきゃ。君とお話が出来てとっても楽しかっ。イッピー、また会おうね」

って言って、来た時と同じように静かにブッシュを分けながら行ってしまった。

その時にそこにいた小鳥たちが数羽一斉に彼の後をついて行った事に僕は気がついた・・・

僕も「ラヒーリオ、必ずまたね」って小さな声で行った。

僕は知っている。その声が彼に届いた事を・・・

少年がブッシュ(灌木)の向こうから振り向いて手を振ったような気がした。

その時には僕はなぜ少年がホピの言葉に対応する日本語を知っていたのか気がつかなかった・・・

この続きはまたね・・・パー

イッピーの独り言

(あー、不思議な旅だったなあ!!

ペタしてね

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