みんな元気ですか
深い森の中の樹木のお話し・・・
僕は夢の中で久しぶりにファルコンになって森に出かけた。
森の木々が大丈夫かどうか見に行ったんだ。
森はこの季節雪におおわれているところが多い。
木々はみんなちゃんと冬仕度を終えて深い雪に備えていた。
僕はそれを見てホッとした。
冬が来る前に葉っぱを落とせなかった木がいると
その子はその冬を越せない。
何か不具合があったから葉っぱを落とせなかったんだ。
害虫の問題や根に病気があるとかするんだ。
深い秋になると森の木々はすごく急がしい。
紅葉の季節が終わると森の木々はみんな一斉に葉っぱを落とす。
そのためにたくさんのエネルギーが必要になる。
だから秋には木々は大地から沢山栄養をもらう。
時には新芽を育てるよりたくさんの栄養が要るんだ。
葉っぱは単に枯れて木の枝から落ちるんじゃないんだよ。
その前に赤くなるのには特別に栄養が必要なんだ。
しかも沢山・・・。
以前僕が冬の初めに森を訪れた時のこと。
こんな光景を見た。
森の木の赤くなった葉っぱが落ちるのをみんながじっと待っていた。
ほとんどの木は順調に葉っぱを落としていた。
でもたくさんの木の中で1本の木だけが
葉っぱを落とすのにとても苦労していた。
葉っぱたちがまだ落ちるのは嫌だってがんばって
なかなか落ちてくれないんだよ。
それを仲間の木たちが見てとても心配していた。
仲間の木たちもなんとかうまく説得しようとして
その木にあれこれお話をしてくれていた。
そしてようやくその頑固な葉っぱたちがその気になって
木から離れようとしたら今度は
落ちるのが嫌だって言って頑張った時に出した粘液のせいで
木から離れられなくなっていたんだ。
その時に僕は不思議な光景を目にした。
葉っぱを残したその木が大きな大きな背伸びをしたんだ。
葉っぱがしがみついている枝を自分で伸ばした。
もちろんその時は風なんか吹いていない。
だから木が自分で枝を伸ばしたのがはっきりと分かったんだ。
次の瞬間に起きたことも信じられなかった。
その枝たちが一斉に激しく身震いしたんだ。
すると頑固にくっついていた葉っぱたちは
ようやく木の枝から離れることができたんだ。
君も注意してよく見ると都会の街路樹でも
同じ光景を目にすることができるかもしれないよ。
イチョウの木が大きくのびのびをするところを。
風もないのに身震いをする木を。
森では最後の一枚が落ちたら
次の日から深い雪が積もるのさ・・・
(雪が早すぎないように心配で空を見上げる僕・・・森ではみんな無事に葉っぱをおとしたかなぁ~)