みんな元気ですか
前回の続き・・・
「一を聞いて十を知る」という言葉があります。
理解力に優れ判断力がシャープであることを意味しますが、これは外国では言葉の構成上なかなか成立しえない事ではないかと感じることがあります。
英語やフランス語で話をしている時、簡単な日常会話なら言葉が短いのでお互いにすぐに何を言いたいのか全部を聞かないでも判断がつく場合が多いと思います。ましてや恋人同士や夫婦であれば会話を必要としなくても相手が何を望んでいるのか分かると事もあります。
イッピーぱぱは毎日イッピーままの言う事を一を聞いて十を知っています・・・あは!
しかし仕事で事業運営に関する事や政治に関するようなシリアスな事を話している時には、言葉を正確に使い自分の意見を説明しようと慎重に文章を構成します。そのため最後の語尾を聞くまでは賛成なのか反対なのか判断がつかないような事がよくあるからです。
一緒に仕事をした外国人の中でも頭が切れてシャープだと思える人ほど自分の意見や結論は最後まで聞いた後で判断しているように思います。
なぜ外国人の優秀な人材は人の話をよく聞くのか、理由に納得した事がありました。
彼らはその訓練をしていたのです。
優秀な人材はとにかく大学院の経営修士課程・・・いわゆるMBAを卒業しています。
それもハーバードだとかコロンビア大学の大学院などです。
以前ハーバード・ビジネススクールの授業を模したマネージメント・トレーニングを受けた事があります。
その時に秘密の一端を垣間見た気がしました。
そこでは一つの授業に一つのビジネス上の問題がテーマとして出題されます。
ほとんどが難解な問題です。例えば上手く行っている会社を売却すべきか、ある地区で売り上げが低迷している時にどうすべきかと言ったような「実際に起きた事」がテーマになります。
「イエスかノーか」で答えが出るいわゆるクローズド・クエスチョンではなく何らかの結論に到達するために段階を経た理論構成が必要なオープン・クエスチョンばかりです。
このような問題には常に正解はありません。ある意味未来予想ですので、ただ一つの答えではなくいくつもの答えが出て来ます。
そこでは自分の答えに到達するための理論構成が大切になります。
自分の理論が正当であることを証明するために様々な資料で裏付けをとり、データを集めます。
そして授業の最後になると生徒がみんなで活発な議論をします。
その時に生徒の中で役割が自然発生的に決まります。
口火を切って自分の結論を真っ先に主張する生徒が必ずいます。
相手の上げ足をとり、相手の理論構成の矛盾を突きそこを崩す事に夢中になる生徒。
ここでは発言をしないと減点になるのでみんな必死に意見を主張します。
しかしクラスの主導権を握るのは途中ではあまり自分の意見を言わない生徒なんです。
クラスの意見が大勢に傾きかけた時に最後の方に意見を言う生徒なのです。
自分より先に述べられた意見についてするどく分析をします。
議論の時間配分にも気を配ります。
最後にはそんな生徒の意見が通ってしまうのです。
もちろん彼の成績はいつも上位です。
このような生徒の特長は人の意見をとにかくよく聞きます。
つまり「一を聞いて十を知る」事をしません。
これも少し意味が違うかもしれませんが・・・。
ちなみに先生は最後に「実際に起きたケース」を説明してこの授業は終わります・・・。
続きはまたね・・・
(議論の前に慎重に理論構成を練る僕・・・みてみて・・・僕の真剣な目つき・・・あは)