みんな元気ですか![]()
きのうの続きの後篇です・・・![]()
僕は思うんだ・・・。
この子と同じようなアスペルガー症候群の人は多い。
物事の優先順位の判断が出来ないのも症状の一つ。
最近では脳に障害があることが原因らしいと分かって来ている。
ジョージ・ワシントン、キューり夫人、エディソン、モーツァルト・・・
ほかにもいま話題の坂本竜馬もそうだったと言う話がある。
エディソンは小学生の頃算数がまるで出来なかったらしい。
だから算数の時間にはいつも学校で立たされていた。
でも物理の実験に異常に興味を示した。
だからお母さんは外で遊ばないエディソンに家でずっと物理の
実験をさせた。彼らは興味のあることには常人をはるかに超える
集中力が働く。でもそれもよき理解者がいて初めて可能な事なんだ。
普通はそんな子供がいると家の人まで
「お前はダメだ・・・馬鹿だ」と言ってしまう事がある。
本人の奮気を促す為というのもあるかもしれない。
でもそれで上手く行くケースはほとんどゼロだろうと思える。
それで性格まで難しくなるケースは多い・・・。
この子の場合はこのお兄ちゃんがいて本当によかったと思う。
特別な才能はないかもしれないけれど・・・
とても優し性格になったから・・・
その子はお兄ちゃん以外には自分の事を理解してくれる人が
あまりいなかった。親は別にして・・・。
でもお兄ちゃんはいつもそばにいてべたべたしすぎるようなことは
決してしなかった。その子の独立心も大切にした。
誰かに頼りすぎるようになるとその子が大人になってから
すごく困ることになるし・・・
でもお兄ちゃんはちゃんと知っていた。
その子が自分の事を理解してもらえる誰かがいないと
成長するのにとても困難をともなうことを。
だから必要な時にはいつも話し相手になるようにした。
中学生や高校生の男の子には親に話せないこともある。
お兄ちゃんはそんな話も聞いてあげた。
そんなある日の会話・・・
「おまえさ~彼女出来たの?」
「いるよ。」
「へ~、どんな子?」
「うん、少しぽっちゃり型」
「そうなんだ~。それでいつも会ってるの?」
「う~ん、会ってるよ。」
「最後にあったのいつ?」
「うーん、3か月前かな」
「・・・そっかぁ・・・」
お兄ちゃんは決してそれが嘘だと否定はしなかった・・・。
その子にはお兄ちゃんが先生だという意識はなかった。
おそらくたまたま年上の気の合う友達という思いでいたんだ。
だからお兄ちゃんの事を「君」付けで呼ぶ。
それに月に一度くらい電話をかけて来た。
ボーリングに行こうよとかゲームセンターに行こうよと誘ってくる。
お兄ちゃんも3回に一回は付き合ってあげた。
その子もお兄ちゃんが忙しいのは分かっていたし
あまりしつこくしてはいけないと思っていたらしい。
お母さんにも多分そう言われていたし・・・。
ある日もう少しでその子の誕生日だと言う時に
その子はお兄ちゃんの家に電話をしてきた。
もう10年以上前のことで、その頃は携帯は無かった。
お兄ちゃんはいつでも良いから何かあったら電話をして
来るんだよ・・・ってその子に言っていたし・・・。
たまたま兄ちゃんの家は留守で誰もいなかった。
その子は何度も何度もお兄ちゃんの家に電話をした。
一分おきに・・・。20回以上も・・・
だってお兄ちゃんの家の電話はこう言っていたんだ・・・。
「ただいま留守にしております。ファックスの方はそのまま
送信してください。恐れ入りますが御用の方は
おかけ直しください。」・・・って。
だからその子は何度でも
「おかけ直し」したんだ。
電話を切るとすぐに・・・。
でも
何回かけ直しても
誰も電話に出てくれなかった・・・。
お兄ちゃんは今でもその若者の「君付けの」友達。
これから先もずっと・・・
(この子は神様に大事にされているんだよ・・・きっと・・・だって本当の優しさに会えたんだもの
)

