ある恋の物語

みんな元気ですかドキドキ

遠い記憶の中の忘れられないお話し・・・グッド!

二人は知りあってまだ間もない恋人同士

彼はまだ都会になじめないでいました。

田舎から出来て間もないころでした。

彼を癒してくれるのは音楽大学に通う都会育ちの少女。

彼女も父親の仕事の関係で田舎に住んでいた経験があり

彼の事をよく理解していました。

彼女は彼にいろんな事を教えてくれました。

都会のルールを・・・

地下鉄の乗り換えのルート

混んでいる電車の乗り方

スクランブル交差点の渡り方

スパゲッティを食べる時のフォークとスプーンの使い方・・・

彼も田舎の事を彼女に教えました。

森に生きるいろんな動物のこと。

川で遊んだこと。

木と友達になる方法。

小鳥と仲良しになれたこと。

彼女は眼を輝かせて彼の話しをいつも聞いていました。

ある時彼女は自分が病気にかかっていることを彼に告白しました。

その病気が治らないことも・・・

彼女は何度も何度も彼にあやまりました。

ゴメンねゴメンね・・・って。

二人は最後の日までとても仲の良い恋人同士

そして・・・

次の春が来る前に彼女は彼に見とられて亡くなりました。

彼女は彼と過ごせて本当に幸せだった事を告げました。

そして一緒に過ごしてくれた事を心から感謝していることを。

そして彼にこう言いました。

「私が死んでも悲しまないでね・・・

私はあなたの胸の中で生き続けるからね」・・・って

彼の悲しみはなかなか癒えませんでした。

それから長い間・・・笑顔を忘れてしまいました。

でもある時あることがきっかけで

彼は思ったんです・・・

もしかしたら彼女はまだ自分の胸の中で

あの時言ったみたいに

本当は生きているんじゃないか・・・って。

それは後輩と行ったイタリアンレストランでのことでした。

彼と同じ田舎から出て来たばかりの後輩は

スパゲッティを食べる時フォークだけを使って食べていました。

その時自分がフォークとスプーンを使って食べている事に

ふと気がついたのです。

それは知りあって間もない頃

彼女が教えてくれたことでした。

彼にはわかったんです・・・

彼女が今自分と一緒にいる

彼女が自分の中で生きていることが。

たくさんのことを教えてくれた彼女がいる。

自分の日常の中のすべてに彼女が生きている。

彼はその時こうつぶやいたんです。

人は本当に死ぬことは決してないんだ・・・って

(編集再掲載のおはなしです)

イッピーの独り言

(いつもおいら・・・そばにいるよドキドキ

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