空を飛んだおもちゃのヒコーキ

みんな元気ですかドキドキ

子供の頃に置き忘れて来た話し・・・グッド!

その小さい男の子は初めて

おばあちゃんにブリキの飛行機を買ってもらいました。

そのヒコーキはピカピカに光ってとてもきれいな姿をしていました。

だから毎日大事にして部屋の中で遊んだのです。

男の子はヒコーキは飛ぶものだと思っていました。

男の子には見えない友達がいました。

その友達は彼が生まれる前からずっとずっと友達でした。

その友達にヒコーキをみせて一緒に遊んだんです。

「これ、おばあちゃんに買ってもらったんだよ。」と言いながら。

一方男の子には近所にちょっとだけ年上の友達もいました。

その子に「このヒコーキは本当に飛ぶんだよ」と言いました。

するとその子は「そんなことあるわけないじゃん。」と答えました。

ある日彼は重大な決意を胸に秘めて近くの河原に

ヒコーキを持って出かけました。

近所のその年上の友達も一緒でした。

その日はよく晴れていて風もありません。

男の子は紙ヒコーキを飛ばすみたいに胴体を手にもって

その腕を高くあげて自信に満ちた静かな声で

「空まで飛んで行けー」って言いました。

男の子が手をゆっくり離すと

なんと・・・

ヒコーキは本当に飛んだのです。

太陽の光をキラキラと反射しながら。

どこまでもどこまでも空の彼方に

そして・・・

ちいさくなって点になりました。

ヒコーキは見えなくなりました。

その見えなくなった方向に何かが一瞬きらりと大きく光りました。

男の子は見えなくなった後もずっとその方向を見あげていました。

空には薄くてきれいな雲がいくつか浮かんでいました。

やがて男の子はすごく満足そうな顔をして

お家にかえって行きました。

年上の男の子は何が起きたのか分かりませんでした。

しかし一瞬だけ見たのです。

背中に翼のある小さな人がそのヒコーキの操縦席に

乗っていたところを。

男の子はお家に帰ってからおばあちゃんに報告しました。

ヒコーキが空に帰った事を。

おばあちゃんはこう言いました。

「よかったね。

あのヒコーキはおもちゃじゃないんだよ。

お前の見えない友達の国から借りて来たんだよ・・・」

時がたち男の子は少し大きくなりました。

そして・・・

見えない友達のことも

あの空に飛んで行ったヒコーキの事も

忘れてしまいました・・・

そのころおばあちゃんはもういませんでした。

と言うより・・・

おばあちゃんは男の子が生まれた時にはすでにもう

いなかったのです・・・。

イッピーの独り言

(あのヒコーキに乗ってたのは・・・ボクだよパー

ペタしてね

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