みんな元気ですか
芹沢光治良の中軽井沢の世界・・・
芹沢が好んだ別荘は中軽井沢の駅からまっすぐ北に上がった
途中を右手に折れて、星野温泉に続く森の中にあります。
一度訪れたことがありますが、車がやっと通れる細い道の
すぐ横の高台に塀に囲まれたその別荘をやっと見つけました。
やはりあたりは鬱蒼とした森でした。
上の地図で見ても芹沢の別荘がある星野温泉は中軽井沢からそれほど
離れていません。歩くと駅から20分くらいの距離です。だらだら上り坂
が続きますのでちょっとしたハイキングです。駅からバスも出ています。
すぐ右手の離山(はなれやま)のふもとから旧軽井沢の立て込んだ
別荘地が続きます。森の中とは大分おもむきが違います。
ちなみにジョン・レノンはこの小さな山の名前を付けた
喫茶店「離山房」が大好きで軽井沢に滞在中は妻のヨーコと
まだ赤ちゃんだった息子の「ショーン」を連れてよく通っていました。
軽井沢にはいくつか温泉があります。その中でも星野温泉は軽井沢で
一番知られた温泉でした。ひなびた湯治場温泉旅館の趣がありましたが
今では外資の手もはいり近代的なイメージに変わりました。
しかし芹沢の別荘があるこの森は今でも自然のままに残されています。
時々クマに注意の立て看板が見えます。
長野県が手入れをしている「野鳥の森」が芹沢の別荘のすぐ後ろに
広がっています。百種類近い野鳥が生息しています。
(クリック拡大)
芹沢はこの自分の別荘の庭を森と呼んでいます。
その森に長椅子を出して仰臥しているとおそらく聞こえるのは
木々を渡る風のかすかな音と、鳥の声のさえずりだけ
だったのだと思います。
青空が緑の木々の梢を通して見えています。
木漏れ日が柔らかくふりそそいでいます。
目を閉じるとやがてその鳥の声も気にならなくなり
まるで「ゆらぎ」の音に変わったのだと思います。
あの楓との会話はこの場所に来てみるとにわかに現実味を
おびるのです。確かにそんなことが起きるのかもしれないと思わせます。
宮沢賢治の描く森の中の世界と共通するものがあります。
宮沢賢治の「風の又三郎」もきっとこんな風の音だけが聞こえてくる
森の中で生まれたのかもしれません。
芹沢はこの森に住む小鳥たちとも驚くような体験をします・・・
続きはまたね・・・
(中軽井沢の森・・・)