天使の学校 20 番外編 旅立ちの時 光のなかへ

みんな元気ですかドキドキ

旅立ちの時・・・グッド!

天使はクッキーにいろんな事を教えてくれました。

お花には精霊がいていつも人間と仲良くしたがっていること。

精霊は人間にきれいとかかわいいとか言ってもらうのが大好き。

スズメさんたちはおしゃべりでいつも誰かの噂話をしていること。

それもご近所のお家の人間模様を。

ワンちゃんやネコちゃんたちもいろんな事を考えていること

特に飼い主さんの家族の事を。

これはケンタのとの経験ですこし知ってたけど。

公園の木たちが何を考えて

みんなのためにどんなお役目をしているのか。

他にも人間を取り巻く世界がどんなにか素晴らしく輝いているのか。

風とも友達になれること。

空の雲や雨ともお話をしたり一緒に遊んだり出来る事。

山や川や・・・石とさえお話が出来る事。

それはクッキーにとっては全く新しい世界でした。

ケンタと一緒に生活していた頃はいつもケンタとおしゃべりをしていた。

だから犬とお話が出来るのは全く普通の事だと思っていたんです。

それがこんなにたくさんの自然の中のみんなと

お話が出来るなんて

友達になれるなんて

クッキーは知りませんでした。

クッキーがケンタと交わした会話は

ほとんどが身の回りのこと。

公園でこんな友達と遊んだとか

幼稚園でこんな子がいるとか

お母さんとお父さんがこんな話をしていたとか。

それまではクッキーは自分の事で頭がいっぱいでした。

何をして遊ぼうか・・・とか

あれが好き・・・これが嫌い・・・とか。

でもある日クッキーはそんな自分に気がついたのです。

考えている自分に気がついたのです。

今自分は楽しいと思っている。

今自分はうれしいと思っている。

そんな風に・・・。

もう一人の自分が自分を見ている事に気がついた。

天使はたくさんの事を教えてくれました。

だからクッキーは天使の事がますます大好きになりました。

でもそんな楽しい日にも終りが来ます。

自分が自分を離れて・・・

もう一人の自分に気がついた時

それがお別れの時。

ある日天使が優しい声で言ったんです。

「さあクッキー・・・もう出発する時が来た

一緒にあの空の向こうに行くんだよ・・・」って。

その時クッキーは分かりました。

本当は自分が・・・あの時の交通事故で死んでいたことを

もう一人の自分が自分を見ることが出来るようになって

初めてそれがわかったんです。

それまでは自分が死んだことを知らなかったんだ。

だからクッキーは素直に天使について行くことにした。

でも一つだけやっておきたい事を思い出したんだ。

それはケンタにさよならを言う事。

でもクッキーは心の深いところでは知っていたんです。

その天使はやっぱり・・・ケンタだったことを。

と言うより・・・天使がケンタになって

今まで・・・クッキーが生まれてからずっと

そばにいてくれていたことを。

クッキーは光の中を

天使と一緒に手をつないで登りながら

そっと心の中で言いました。

「ケンタ・・・今まで本当にありがとう・・・」・・・って。

クッキーはその言葉にたくさんの想いをこめた。

あのお彼岸のお別れ会の時みたいに。

クッキーの耳にはたくさんの天使の歌声が聞こえていました。

いままで少しも知らなかった気持ちの良い香りとともに。

クッキーはちっともさびしくありませんでした。

なぜって・・・

ケンタに教えてもらった天使の国に今から行くんです。

それからあの天使の事ですが・・・

ケンタウリは天使の学校から地球に派遣されていた天使です。

でももう地球には生まれ変わらない天使です。

ケンタウリは違う星にこれから行くんです。

宇宙でも特別な地球の素敵な経験を思い出に。

そうそう、彼のふるさとはケンタウルス座アルファ・ケンタウリという

星に在るんです。

地球からもそれほど遠くない星です・・・

このお話をすべての交通事故で亡くなった子供にささげます。

みんなの魂が安らかでありますように・・・

(このお話は編集再掲載でした。)

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(あ~あ・・・クッキーが行っちゃった・・・へみし汗

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