みんな元気ですか
きのうのお話しには続きがあります・・・
その動物霊苑でお別れの式が終わって
みんなが一緒に虹の橋を渡るところをボクは後ろから見ていました。
そのワンちゃんは一番あとからみんなの後をついて行く。
その時の光景は感動的でボクはもらい泣きをしてしまいました。
ボクはそのワンちゃんに興味が湧いてきたので
少しお話を聞いてみることにしたんです。
その子はみんなの後をついてゆっくりと上に昇って行きます。
その子と一緒に並ぶとその子は「あれっ、僕より後に
こんな子がいたっけ」という顔をしました。
そこで「ボクは君と少しだけお話がしたんだよ」って言ったら
その子は「いいよ」って言ってくれました。
だからボクも虹の橋に着くまでしばらく一緒に行くことにしました。
虹の橋を渡る・・・わけにはいかないのでその手前まで。
ほかの子たちはみんな楽しそうにおしゃべりしながら
上の方に上がっていきます。
自分たちが住んでいた街の上をみんなで仲良く並んで上がっていくんです。
みんなは下を見下ろしながら口々に「あれが僕のお家だよ」とか
「あっ、お父さんが庭でゴルフの練習をしてる」・・・だとか言っていた。
その子は「これでしばらく本当にお別れだ」ってつぶやきました。
そして、「でも君のおかげで・・・
最後に僕の妹とお別れが出来たから良かった」って言ったんです。
ボクは「えっ?って聞き直しました。
もう少し待ってもらえるようにボクが祈ってたのを
知ってるのも驚きだったけど
「あれは君の妹なの?」・・・って聞いたんです。
「そうだよ。あの子は僕の妹で僕とずっと一緒に育ったんだ。」
それを聞いてなるほどねって思いました。
その子はもちろんあの女の子が人間だって事は分かっているけど
ずっと一緒に育って年下の妹みたいに思っていたんです。
それにこの子にとってはお父さんは自分のお父さんで
お母さんは自分のお母さんなんだって事も。
それにボクには分かりました。
このワンちゃんはあの女の子と家族を虹の橋の上から
ずっと見守ってあげるんだろうなって。
ボクにはそのことのほかに・・・ずっと気になっていることがありました。
それを聞いてみました。
「ほかの子たちもそうだけど、きょうはお別れなのにみんななんだか
嬉しそうな顔をしてる。どうしてだろう。」
彼の返事はボクをびっくりさせました。
彼はこう言ったんです。
僕たちが死んだ時に、みんなが思い出す事がある。
僕たちはみんなこうして何回も前に死を経験している。
それは死ぬのはだれでも怖い。
でもそれは以前何度も死んだことがあるのを
忘れているからなんだ。
死んだ時に僕たちはそれを思い出す。
そして同時にその前に生きていた時のこともね。
死は僕たちにとっては一時的なことにすぎない。
だから死は少しも怖いことじゃない。
ある本にこんなことが書いてある。
「君が生まれる時には周りのみんなが笑っている。
でも自分だけが泣いている。
君が死ぬ時には周りのみんなが泣いている。
でも自分だけが笑っている」・・・ってね。
(これ「チベットの死者の書」という本に出てるよ)
それに僕たちはあの場でお坊さんのお経の意味が
突然分かるようになった。
それはこう言ってた
宇宙には約束事がある
その約束事とは
命は亡くなっても・・・魂は消えない
命は亡くなっても・・・生きている時に経験した思いは消えない
命は亡くなっても・・・それはまた新しい場所で新しい家族と
新しい友達といっしょに新しい事を経験するための
新しい命を得るための宇宙が決めた約束事
その約束事は例外なくみんなを支配し同時にみんなを守っている
このお経の意味は僕たちみんなが自分で(魂が)知っていた事
だからそれは教えてもらうんじゃなくて思い出す事なんだ。
「だから誰も悲しむ事はないんだ・・・」
彼は僕にそう言って心の底から笑顔を見せてくれた
ボクはその時に分かった事があります。
お別れはまた別の出会いのためにもあるんだ。
そして・・・
何よりも愛が大切なんだって事。
だって・・・
恨んで生きても想いは残る
悲しんでばかりいても想いは残る
悔やんでばかりいても想いは残る
それを一緒に持って虹の橋は渡れないかもしれないって。
だから亡くなったどのペットも家族に対して感謝の思いと
愛の思いに満ちているんだって事が。
次のあたらしい命を経験をするときには
そのネガティブな思いを卒業するために
もう一度どころか多分何度も同じ経験をすることになるから。
もうすぐ虹の橋に着く。
ボクはもっとその子とお話をしていたかった。
でもパパやママやたくさんの友達の事を思い出した。
その子に「さよなら」を言った。
その子もボクに手を振ってお別れをしてくれた。
「いつかまたね」って言いながら。
ボクはその子に心の中で「ありがとう」を言った。
その声はもちろんその子には届いていました。
このお話には続きがあります。
ボクの名前はイッピーです。でもポチ!
(あの子は沢山の事をボクに教えてくれた・・・)