天使の学校 15 番外編 虹の橋を渡る前に

みんな元気ですかドキドキ

今はまだ秋のお彼岸・・・グッド!

お彼岸の日にはボクはこのお話をくり返ししています。

あるワンちゃんのお話し・・・わんわん

きのうはお彼岸の日。

とてもお天気が良くて気持ちが良かった。

少し風が強かったけど。

その風の音を子守唄に聞きながら

ボクはお昼寝をしてた。

そして夢の中で

たくさんのペット達の声に誘われるようにして

ある公園の近くまでやってきました。

そこは大きな動物霊苑。

ボクはたくさんのペット達が集まっているのを後ろからそっと見ていました。

きのうはお彼岸。

いまからお坊さんがあげるお経に守られて

その子たちはみんなちょうど虹の橋を渡るところです。

僕はその中のあるワンちゃんの事が少し気になってずっと見ていました。

ほかの子と少し様子が違うんです。

ほかの子はみんな

ワンちゃんやネコちゃんやうさぎさんや小鳥さんもそのほかのペット達も

飼い主のお父さんやお母さんがそこに来てくれていて

最後のお別れをしていました。

でもその子のところにだけはまだ誰も来ていなかったのです。

だから・・・

入り口の方を何度も何度も振り返りながら

「まだかなぁ・・・まだかなぁ・・・」ってつぶやいていました。

式がもうすぐ終わる頃になるとその子は一人で

じっと涙をこらえているのがボクには分かりました。

そして僕には別の事も分かったんです。

その子のお父さんはお仕事でいつも忙しかった。

お母さんも昼間はお仕事に出かけていました。

生きている時にはあまりお父さんとお母さんにかまってもらえませんでした。

それは仕方がなかったんだ。

でもそのおうちの小さい女の子とはすごく仲良し。

その女の子はまだ小さいから大人の人に連れてきてもらわないと

この霊苑には来ることが出来なかったんです。

お家からそんなには遠くはなかったけど。

でもきょうもお父さんもお母さんもお仕事で忙しい。

そのワンちゃんはおうちのみんなが大好きだった。

だからせめて一言・・・おうちの人に言いたかったんです。

「僕を大事にしてくれて

いままで本当にありがとう。

僕はみんなが・・・こころから大好きでした。

僕はこれから虹の橋を渡るけど

みんなの事は忘れません。

いつでもみんなが仲良く暮らせるように守ってあげるからね。

僕と一緒に過ごした楽しい思い出をどうぞ胸にしまって

時々は僕の事を思い出してください。

そして・・・さようなら」・・・って。

お坊さんのお経はもう終わっていました。

ペットのためのお彼岸のお別れの式が終わりに近づいてきました。

でもその子の家族はまだ誰も来ていない。

その子は涙をこらえて悲しそうにもう一度後ろの入り口を見ました。

ボクは祈りました・・・「あの子の家族が来るかもしれないから

どうかもう少し待ってあげてください。」

ほかのペット達はみんなうれしそうに・・・もうすでに虹の橋を渡り始めました。

そろそろその子の順番が来ます。

その子はじっと涙をこらえながら後ろを振り返るのをやめて・・・下を向いた。

その時でした・・・

息をはーはー言いながら小さい女の子が後ろの入り口から入って来ました。

そこにいた人たちがみんな一斉に振り返ります。

その子は一生懸命にここまで走って来たんです。

お別れの式に間に合うように。

それを見たそのワンちゃんは肩を震わせて、そして涙笑いになりました。

ワンちゃんは涙でくもった瞳で・・・うれしそうにその女の子に笑いかけました。

その笑顔に胸の中の想いのすべてを込めて。

その女の子もにそれが分かりました。

だからそのワンちゃんに笑い返したんです・・・涙顔で。

そしてそのワンちゃんは虹の橋を渡るほかのペット達の

列の一番最後について行きました。

何度も何度も後ろを振り返りながら・・・

昨日あたりはこんな光景がきっとたくさんありました。

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