みんな元気ですか
遠いむかし・・・子供の頃置き忘れて来たお話し・・・
その小さい男の子は初めて
おばあちゃんにブリキの飛行機を買ってもらいました。
その飛行機はピカピカに光ってとてもきれいな姿。
うれしくて毎日大事にして部屋の中で遊びました。
男の子は飛行機が大好きでした。
そして彼は飛行機は飛ぶものだと思っていました。
ある日男の子は重大な決意を胸に秘めて
河原に飛行機を持って行きます。
その日はよく晴れていて風もありません。
その子は紙飛行機を飛ばすみたいに飛行機の胴体の
真ん中を手に持ちました。
その腕を高くあげて「空まで飛んで行けー」って言ったんです。
男の子がそっと手を離すと
飛行機はゆっくりと飛んで行きました。
太陽の光をキラキラと反射しながら。
どこまでもどこまでも空の彼方に。
飛行機は空の青に溶けて点になりました。
そして見えなくなって帰って来ませんでした。
男の子は別の方角を見上げて小さな声で
「ありがとう」って言ったんです。
まるで心の中で言ったくらい小さな声でした。
その男の子はすごく満足そうな顔をしてお家に帰って行きました。
その日男の子の頭上のずっとずっと高い空の上で
小さな点にしか見えないアミの宇宙船が
その男の子をずっと見守っていました。
アミもそっとつぶやきました。
「飛行機が飛んでよかったね・・・」
そして何かにむかってこう言いました。
「観察機3H4203IUVの回収の許可を
申請します」・・・
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(それでもあの飛行機は今でも何処かの空を飛んでいるんだよ。
あの子の心のなかで・・・)