みんな元気ですか
仙人のこと・・・
もう一つ山のお話しです。
昔むかしあるところに野原や山で遊ぶのが大好きな男の子がいました。
その子供はいつも木や花と話をしていました。
その子にはほかにも変わったところがありました。
山で遊んでるといつのまにか姿が見えなくなります。
そんな時には村人が総出で子供を探しに山にはいります。
いくら捜しても見つからないのだけどしばらくすると
元気でひょっこり家に帰ってくるんです。
どこに行っていたのだと聞くと楽しそうに
「山のおじさん達の所にいた」と答えます。
子供は大きくなってからもたびたび山に消えました。
家族がどこで何をしていたのか尋ねても「山の人」たちとの約束で
言えないと言ってすべてを語ることはありませんでした。
それでも少しは教えてくれました。
でも普通の人が聞けば不思議な話ばかりです。
例えば沢に落ちて骨を折るくらいの怪我をしても
山の人たちはその怪我を一晩で治してくれたり
みんなが木や風と話をしたり、
一日で信じられないような距離を移動する・・・とか言うんです。
村人にどうやってそこに行くんだと尋ねられるとこう答えるのです。
ある老樹のまわりをぐるりと一周すると
突然「山の人」たちが住む世界に入っているんだ・・・と。
ある時その男は山に行って今度は帰って来ませんでした。
でもその男の家の畑にはそれからはたくさんの作物が取れました。
家族はずっと暮らしに困ることはありませんでした。
・・・
このお話は以前にもご紹介した事があります。
この山の男たちとは一体誰なのでしょうか。
このシリーズのタイトルのもう一つのテーマとも関係します。
実は歴史をかなりさかのぼる可能性があります。
その昔・・・日本の黎明期。
スサノオと息子二ギハヤヒは日本中をめぐりはげ山に植林をして
多くの山を緑に変える努力をしたという言い伝えがあります。
同時に農耕の技術も教えました。大陸から何度も植物の種や
苗を運んできたという話もあります。
彼らが植林を、山を豊かにしたという言い伝えは
東北地方にまで残っています。
山は豊かになりました。山が豊かになると結果海も栄養豊かな
海に変わります。漁労の民も彼らを神とあがめました。
ここにはスサノオと二ギハヤヒの壮大な日本統一の
ビジョンを感じます。
山は一旦緑になっても人間が手入れをしなければ
すぐに荒廃してしまいます。
スサノオは山に植林をすると同時にその山を守る民を任命します。
当時の日本では最高の財をまもる役目です。家系のほまれです。
誇り高き山の人の誕生です。しかも代々引き継がれる職業です。
木材の育成は長い時間が必要だから。
仙人の「仙」という文字の由来はここにあるのかもしれません。
山の人あるいは山を守る人という意味です・・・。
続きはまたね・・・
(木登りの練習するボク・・・おいしょとこしょ・・・)