みんな元気ですか
川の流れと時の流れ・・・
物語の続きです。
僕は今までにラヒーリオと見たこと、感じたことの
すべてをジュンに話した。
その結果ジュンも全く同じことを思っていた。
チャクラのエネルギー統合を果たした地球の未来を探ることは、
自分たちの行動が地球を何処に向かって導いているのか。
はたしてそれが正しい方向に向かっているのか。
それを知るためにも是非とも我々の手で知る必要があった。
もし万が一それが正しい方向に向かっていないのであれば
それはあまり考える必要のないことだとは思っていたが、
自分たちの手で方向を修正する必要があるかもしれない。
もし何らかの手立てがあれば。
その手だてを今は想像することも出来ない。
未来を探ることは単なる結果の確認だけではない。
なぜ自分たちがこれほどに未来を見ることにこだわるのか。
その理由にみんなが気がついたんだ。
それをどうやってたぐり寄せるのか。
みんなの頭の中にはこの大きな疑問が渦巻いていた。
ラヒーリオは本題に入る前にジュンにセーヌ川の事を聞いた。
彼にとってセーヌは本当に不思議な、
今までに見た事がないものだった。
と言うよりもすぐに結論が出ないことを探るときにはいったん
本題から離れることもよい結果に結び付くかもしれない、
と言う事を試そうと言う気持ちも彼の中にはあった。
彼は第3の目。
常人をはるかにしのぐ勘が働く。
ラヒーリオのアプローチはまさに我々を正しい方向に導いたんだ。
もちろんその時には誰もそれを予想してはいなかった。
人はなぜセーヌに憩いセーヌにこれほどまでに親しみを感じているのか。
セーヌをテーマにしたシャンソンや物語が数え切れないほどある。
ジュンの答えはこうだった。
「エネルギーの世界では川の水は感情を写し取るの。」
「そのことで人間は自分の話をセーヌ川が聞いてくれているように感じる。
人はセーヌが以前にほかの人から写し取った感情を
セーヌがくれた返事のように感じ取ることもあるわ。
だから人はセーヌ川にも心があると感じる・・・どんな事も聞いてくれる
広い心みたいに。
そのために人はなんども繰り返しセーヌにまた帰ってくる。
再び話を聞いてもらうためにね」
「ローマのトレビの泉も同じ。
また帰って来れると人は同じ理由で思うのよ」
「同時にセーヌが人々から聞いたいくつもの話を詩人は感じ取る
だからセーヌからいくつものストーリーが生まれる。歌が生まれる。」
「そして川の流れのように・・・すべての流れるものが持つ
感情を変化させる力もあるわ。
歌のメロディーのようにね・・・」
ジュヌビエーブは芸術の精霊。その説明にはすごく説得力がある。
しかしここからがジュンの本当の感性だった。
「でも、もう一つの可能性があるの・・・」と彼女は続けた。
「川の流れは時の流れのエネルギーと同じ作用を持つ
かもしれない。」
「それが流れるものの本質だと言う可能性があるのよ。
だから人の感情を変化させるの。」
「時間がたてば人は同じ感情を持続させることは出来ない。
どんな怒りも・・・悲しみも・・・時がたてば人は忘れるわ。
激しく燃えた恋すらも・・・時間がたてば同じ感情を
保つことは出来ないのよ・・・」
彼女はあの将軍との人生でたった一度きりの恋を
思い出しているのだろうか・・・
(この場面リンク→パリは燃えているか
)
(この場面でジュヌビエーブがなぜパリ守護神となり同時に
パリの芸術の精霊になったのか、その理由が明らかになります。)
「だから人はセーヌの流れに向かって話しかけると
悩みが溶けて行ったような気持ちになるの。そして気持ちが軽くなる。」
ラヒーリオと僕は鳥肌が立つのを感じた・・・(今人間に変身してるし・・・)
だって時間が意味するものを僕たちは今まさに追いかけているのだから。
ここで地球の第3の目のチャクラ(のエネルギー)が動いた。
ラヒーリオは本質を瞬時に見通す。
それを僕とジュンは同時にビジョンでシェアしている。
精霊の世界では時間も距離も意味がない。そこは異次元密度の世界。
だから過去の記憶をたどればそれは必ず未来にたどり着くことが出来る。
なぜなら過去も未来も同質のものは同居している。
つまり同時存在している可能性がある。
ならば歴史をずっと遠い過去にさかのぼれば同じだけ
遠い未来が同時にそこから見えるかもしれない。
3人は一緒に思った。この事にかけてみる価値があると。
この後、3人は思いがけないところを尋ねます。
物語はまだつづきますがこのシリーズの本題に戻ります。
続きはまたね・・・
(また長い旅の物語だから、いったんお休みするさ・・・
みんなおやすみ~・・・と手を振るボク)