みんな元気ですか
トワイライト・ゾーン・・・
その少年の名はジェリー。
友人のジョージと二人でアリゾナをニューメキシコ方面に
向かって車を走らせていました。
運転していたのは年上のジョージです。
この辺りは砂漠の荒れ地をまっすぐに続く長い道を
数百キロ走っても何もなく、誰に会うこともないような
単調なハイウエイが続きます。
１９６０年代の終わりの頃のことでした。
途中でガソリンが底をつきそうになります。
給油のためにとあるゴーストタウンのような村で車を止めます。
人の気配がありません。
幸いにガソリンスタンドが開いていました。
二人のような旅人は長いハイウエイをドライブします。
アメリカではガソリンスタンドが田舎でも開いています。
中から出てきたのはまるでウエスタン映画の中から
飛び出したようなカウボーイの恰好をした男でした。
ジェリーはまだ１８歳。お金も持っていませんし車はジョージの
ものでした。給油が終わりジョージがお金を払おうとしますが
財布がありません。ポケットを探しますがどこにもありません。
そのときカウボーイがいいます。
「大丈夫だよ。心配いらない。君の財布がどこにあるか知っている。
それは君たちがさっき立ち寄った町の店の中にある。
俺が行ってとってくるからここで少し待っていなさい。」
と言うんです。二人はいぶかしく思いますがお金もないし
男が言う通りにするしかありません。二人は男が帰ってくるのを
待つことにしました。
その間ジェリーはそのゴースト・タウンを散歩しようと思います。
歩き始めるととある家の二階の窓に何かきらきら光るものが
見えます。人もいないしそれが何かを確かめに家の中に入ります。
すると驚いたことに家の中から、これもまた映画の中から出てきた
ようなおばあさんがなにか御用ですかと静かに声をかけます。
誰もいないと思った家に人がいることにびっくりします。
そのおばあさんは小ざっぱりしたエプロンを身に着け老眼鏡を
かけた優しそうな女性です。ジェリーは恐縮して謝ります。
「家の中に誰もいないと思いました。二階の窓に何かきらきら
光るものが見えるのでそれを確かめようとしただけなんです。」
と言い訳をします。するとそのおばあさんがニコニコしながら
「もしやあなたがジェリーね。」と言うのです。
まるでジェリーが来ることが前から分かっていたように。
ジェリーはこの村に以前来たこともなければそのおばさんに
会ったこともありません。なぜ自分のことを知っているのだろうと
少し気味が悪くなります。するとおばあさんは、実は二日ほど前に
ある男性がここを訪れてこう言ったというのです。
「ジェリーという１８位の少年がもう少しでここにやってくる。
その若者にこれを手渡してほしい。」といってきらきら光る
水晶を置いて行ったと言うのです。
それがどんな男性だったかジェリーは聞きます。
背の高さ、容貌、話し方などを聞いてみると
忘れていた記憶がよみがえってきました。
ジェリーはその男のことを覚えていました。
１０年前、まだジェリーが１２，３才だった頃住んでいた
ケンタッキーの家の近くに深い森がありました。
その森には人はほとんどいません。ジェリーはその森に
遊びにたびたび出かけていました。ある日
どこからともなくやってきた男にジェリーは話かけられます。
男は親しげにどこか懐かしそうにジェリーと話をします。
それ以来、ジェリーが森に遊びに行くといつもその男がいます。
ジェリーはその男と友達になります。
彼は不思議なことに言葉で話をするのではなく頭の中に
直接言葉を話しかけてくるのです。
ある時その男は「もうしばらく君と会えない。しかし１０年たったら
また会えるよ。」と言って去っていきました。それ以来その男と
ジェリーが会うことはありませんでした。
おばあさんの言うある男性とは間違いなくその男のことでした・・・
３０分ほどすると、先ほどのカウボーイが財布を手にして帰ってきます。
ジョージはありがとうと言って財布をもらい、ガソリンのお金を支払い、
二人は再び車に乗り込み旅を続けました・・・
普通に考えればとても非日常的な出来事でした。
なぜカウボーイは財布を見つけることが出来たのでしょうか。
だれにも通り過ぎたその町に二人がいたことを教えてはいません。
まして、その財布をどの店に忘れて来たかなど分かるはずが
ないのです。でもカウボーイは何事もなかったように財布を
手渡してくれました。
「やっぱりあったよ。」という一言を残して。
そのゴーストタウンで起きたすべてが謎でした。
しかしその謎がとける時がすぐにきました・・・
続きはまたね・・・
（ボクにテレパシーではなしかけるの・・・だれ・・・
）
