みんな元気ですか
パパから息子への最高のプレゼント・・・
これはギターの名手であり歌手のクラプトンが
最愛の息子を亡くした時に作った曲です。
♬ 天国に尋ねていったら君は僕の名前を
まだ覚えていてくれるだろうか・・・♬
これも以前ご紹介した父と息子のお話です。
タイトル「サーカス」(by ダン・クラーク)
私がまだ10代の頃です。
サーカスの入場券を買うために、父と私は
長い列に並んで順番を待っていました。
ようやく、私たちの前にいるのは
あとひと家族だけになりました。
私はその家族に強く心を引かれました。
とても印象的だったのです。
その家族には子供が8人もいて、一番年上の
子供でもまだ12才くらいにしか見えません。
あまり裕福そうではなく、着ている服も上等とは
言えませんが、きれいに洗濯されています。
そして、行儀よく手をつないで、両親の後ろに
きちんと2列に並んでいました。
期待に胸をはずませた子供たちは、ピエロのこと、
ゾウのこと、そしていまから見るいろいろな演技の事を
うれしそうに話していました。どうやらサーカスを
見るのはこれが初めてのようです。
子供たちにとって、きょうのサーカスは
生涯残る素晴らしい思い出となるでしょう。
子供たちの前には両親がとても誇らしげに立っていました。
夫の手をしっかりと握った妻は「あなたは私の騎士
(ナイト)よ」と言いたげに、見上げています。
夫も暖かいほほ笑みを浮かべて「ああ、もちろんさ」と
言わんばかりに、妻を見つめかえしていました。
売り場の女性が、入場券の枚数をたずねました。
父親は胸をはって答えます。
「こども8枚と大人2枚下さい。これで家族に
サーカスを見せてやれますよ。」
入場券の合計金額が告げられました。
すると、妻は夫の手を離し、黙ってうつむいてしまいました。
夫の唇も震えています。
売り場の窓口に身を乗り出し、彼はまた聞き返しました。
「いくらですって?」
売り場の女性は、もう一度答えました。
その父親には、それだけのお金がなかったのです。
サーカスを見るにはお金が足りないと言う事を、
後ろにいる8人の子供たちに、どうやって
告げようというのでしょう。
ことの成行きを見ていた私の父は、
ズボンのポケットに手を入れました。
そして20ドル札を取り出し、何気なく落としました。
父は身をかがめてそのお札を拾い上げ、
その男の肩を軽くたたきました。
「失礼ですが、ポケットからこれが落ちましたよ」
その男は、私の父が何をしようとしているのかを
すぐに察しました。
彼は人からほどこしを受けるような人ではありませんでした。
でも、その時は恥ずかしさと落胆から、
途方に暮れていたのでしょう。
その助けを心から感謝して受け取ったのです。
20ドル札を差し出す父の手を両手で
かたく握りしめ、その目をじっと見ました。
唇は震え、ほおには涙が伝わり落ちています。
「ありがとう、ありがとうございます。これで助かります。」
私と父は車に乗ると、そのまま家に帰りました。
その晩、私たちはサーカスを見ることは出来ませんでした。
でも、それでよかったのです。
・・・
僕はこれがその日サーカスを見ることが出来なかった子供への
人生で最高の父からのプレゼントだと思う。
なぜならその子はそのプレゼントをまた
他の人にもたくさん分けてあげることが出来るから。
それは・・・
人にいくらあげても減らないプレゼントだから。