みんな元気ですか
以前のおはなしより・・・
水の中でイルカは数キロ先の音をキャッチすると言われます。
仲間と連絡を取り合い、子供の安全を確認します。
それにエサがいる場所を察知しエサの魚がどんな様子なのか
を調べることも出来ます。
ここから少し物語の世界です。
以前に書いたファンタジー物語「地球(テラ)の旅立ち」の一場面です。
ファルコンになったボクには地球の主要なエネルギーセンターの
精霊の友達がいます。地球のチャクラの精霊はみんなボクの友達です。
今日は一番の友達でセドナの精霊のラヒーリオと一緒です。
舞台は沖縄の海。
・・・
「あそこを見に行こうか・・・」とラヒーリオが言った。
あそことはずっと向こうに見える黒島の沖。
やまと大陸がかろうじて残したその当時の文明の痕跡。
僕は静かな興奮を覚えて彼に聞き返す。
「それが出来るなら是非。でもどうやって。」
「心配いらない。僕と一緒に来れば大丈夫」と彼はこともなげに言う。
「それに僕には友達もいるし」と彼は謎めいて言った。
僕は聞き返す「友達・・・って?」
彼は僕に返事をする代わりに軽くするどい音の口笛を鳴らした。
すると目の前の崖の下の海に群れから離れて
2頭のイルカが近寄って来た。
僕たちは海の上まで崖を下って降りて行く。
正確にはふわりと飛びながら海岸までおりて行った。
僕たちは精霊。そんなことは何でもない。
ラヒーリオは僕にその2頭のいるかを紹介した。
「これが僕の友達。こっちがワクーマ。10才の男の子。
ほら鼻の頭に白い輪っかのようなマークがある方。」
輪のマークだからワクーマなんだ、って僕はなんとなく思った。
こっちがつきの。7才の女の子。
尾びれに月と星のしるしがついている方。」
(こっちは月のマークだからつきの・・・ってなんか分かりやすい!)
といってラヒーリオは僕にその2頭のイルカを紹介した。
僕はそのマークのおかげですぐに彼らを見分けられるようになった。
その子たちはとても人懐こく・・・と言っても僕たちは精霊だけど。
僕たちの事がまるで見えているよう。
と言うよりはっきりと見えているのが分かった。
ラヒーリオはさらに初めての事で少し困惑している僕に
「話しが出来るから少しおしゃべりしてみたらどうだい。」と言った。
話をしろってどうやって・・・と僕が少し戸惑っていると
いきなり頭の中に言葉が響いてきた。
「こんにちは!僕たちの言葉が分かるなら、にっこり笑って見てね。」
それはとても親しそうで温かみがあった。
もちろんこの子たちが話しかけているのも分かった。
だから僕はうれしくて彼らに思わず笑いかけた。
すると彼らは「ありがとう。これで友達成立!」
と言っていきなり目の前から姿を消して深く潜ると
その勢いで2頭で水面に思い切り高くジャンプした。
彼らは心からのうれしさを体いっぱいに表している。
僕も精霊のはしくれ・・・
彼らの言葉が本当は単語をつないだ言葉じゃなくて
音声を写真か絵のようにして大容量の情報を一挙に伝える
つまりビジョンで話をしていることがすぐに分かった。
僕はこれがまた新たな冒険の始まりだなんて
この時はまだ考えてもいなかった・・・
僕は’ワクーマ’と’つきの’の2頭のイルカとすぐに友達になった。
初めにどうやって泳いでいいか迷っている僕に2頭はこう言った・・・。
「ダメダメその格好のままじゃ。
早く僕たちと同じイルカになるんだよ
そうすると楽しく泳げるようになるから。」
彼らは僕が精霊でどんな形にでもなれることを知っていた。
しかし言うほどは上手くいかない。
それもそのはず・・・
僕はイルカが細部に渡ってどのような形になっているか
良く分からなかったから。
そこでつきのが僕にイルカの形のイメージを
ダイレクトに頭の中に送って来た。
僕はその助けを借りる。
すると信じられないほど簡単に僕はイルカになることが出来た。
それを見てワクーマが手をたたいて(いるように)よろこんでいる。
まるでこれから一緒にすごく楽しい事がたくさん出来るねって
言ってるみたいに。
なんだか彼らはよそから転校してきた遊び友達に
新しいそこの土地のやり方を僕に教えているような気分らしい。
僕といるか達のやり取りをラヒーリオも笑って見ている。
彼はもうすでにこのような場面は経験済みらしい。
僕はその気分に素直に従う事にする。
なにせ・・・海の中じゃなんてったって彼らの方が大先輩。
それも数億年の歴史と経験の積み重ねの違いがある。
それに彼らが持っている不思議な雰囲気。
どんな事でも遊びに変えてしまう楽しそうな雰囲気は
僕が前に知りあった宇宙からきた友達とすごく似ている。
(参照シリーズ→宇宙から来た天使たち
)
僕は知っている・・・
この遊び心でいっぱいの彼らは見た目と違って
知識や経験や・・・物事の本質を見抜く力は本当にすごい
想像を絶するほどするどいって事を。
だから僕は彼らの前では素直で謙虚にならざるを得ない。
と言うより彼らの雰囲気は僕の気持ちにそれを構える事すら
忘れさせるほど暖かくて心地よい物を持っている。
彼らは僕に言葉ではないメッセージを送っている
「海にはいったら楽しむんだよ
すべてを忘れて
だってこれが本当の君のふるさと
君は今水の星につつまれているんだから」って。
イルカになった僕はゆっくりと泳ぎ出す。
彼らの暖かさと圧倒的な海の心地よさにつつまれる
懐かしさとうれしさで急に胸がジーンとなる。
僕は感じる。この感覚は初めてじゃない
彼らと少し離れて泳いでみる。
だって涙を見られたくなかったから。
でも大丈夫!
僕は今海の中・・・
続きはまたね・・・
(友達っていいなっ・・・シミジミ~)