みんな元気ですか
きのうのつづき・・・
僕はファルコンになって飛んでいく。
きょうはいちきしまのひめのみことに会いに行くんだ。
僕は鼻を頼りに飛んでいく・・・
日本にはいちきしまのひめを祭ってある神社はわりにたくさんあるから少し迷った。
でも大丈夫・・・僕は彼女が何処にいるかすぐに見つけた。
そこは広島の安芸の宮島だった。
宮島には厳島神社がある。
いちきしまのひめはこの神社にいた・・・
そして彼女がこの神社にいる理由もなんとなく僕にはわかった・・・
その理由は後で彼女に会えたら確かめるて見ることにした。
僕が飛んで来る気配を感じたらしく、彼女の卷族の巨大なタイの群れが僕を出迎えてくれた。
タイのタイ群が僕をタイ歓迎()してくれた・・・
ここは瀬戸内海・・・タイもたくさん住んでいる・・・
いちきしまは水の精霊でもあることを僕は思い出した。
うれしいことに彼女は神社の社殿の前に立って僕を出迎えてくれた。
「あなたがイッピーさまですね。お待ちしておりました。お話はジュヌビエーブさまからお伺いしています。」と彼女は言った。僕はもうびっくり。
ジュンには紹介してもらわなくていいよって言ってあったのに・・・と思った。
「本来であれば竜神を向かわせるところでしたが、タイのお出迎えにお気を悪くなさらないでくださいね」と彼女は言った。
なんだかここが例の竜宮城なのかなって僕は思ったくらいだよ・・・
彼女は「竜神はいつも雨を連れておりますのでイッピーさまのお見事な毛並みが濡れてしまうことを心配致しました。それゆえタイをお出迎えに差し向けました。」と。
僕はこの堅苦しい喋り方になれていないので普通にはなしてもらえないかとお願いしてみた。
すると彼女は少しお待ちくださいと言って社殿の奥に消えて行った。
どうするのだろうと僕はいぶかしく思った。しゃべり方を変えてもらいたかっただけなのに気を悪くしたのかなあって少し心配したんだ。
でも彼女はすぐにまた出て来た。今度は服装も全く違っていた。
それまでは十二単衣のような豪華できれいな金糸銀糸をふんだんに使った日本古来の着物を着ていた。
絵柄は「竜神と海」と今の季節のもみじ。とてもカラフル。(僕もジュンと知り合って以来アートを少し意識するようになったのさ・・・) (「老人と海」じゃないよ・・・)
あきらかにそれは正装だった。
彼女にはそれがとてもぴったりだったので違和感は全くなかった。
それに彼女も飛びきりのきれいな人(精霊)なんだ・・・
でも僕は完全にお客様扱いなんだって気がして少し落ち着かない気分だったんだ。
しばらくすると今度はまるで正反対のラフな格好で出て来た。
Tシャツにジャケット・・・みたいな・・・
でもラフな中にも気品を残し、姫神であることは見てとれる気高さがあった。
身に付けているアクセサリーはすべて海のものがモチーフ。
パールとかサンゴとか。ヒトデのピアスは斬新・・・
僕はそのネックレスとかブレスレットに見とれた。
本当にきれい(彼女が・・・)
びっくりした?と彼女は聞いた。
それを聞いて僕は二度びっくり。喋り方も今風に激しく変わっていた・・・
精霊はどんなものにも姿を変えられるわ・・・と彼女。
でもその方が距離感がなくてよっぽどよかった。
それから僕はどぎまぎすることをやめて訪問の目的に話を移した。
まず僕がジュンとどうやって知りあったかとかどんな話をしたのかを説明した。
もちろんジュンのいちきしまについての印象のところは省いた。
失礼になるといけないし・・・
それからいちきしまは自分の事を語ってくれた。
なぜこの神社にいるのかから説明を始めてくれた・・・
彼女の話によると厳島神社は日本列島のいわゆる鬼門の方角つまり南西を守っている神社なんだ。
古い言い方をすると羊猿(ひつじさる)の方角。これは丑寅(うしとら)と対角であり、この二つを結ぶ線は日本そのもの。日本の国自体がこの北東と南西に伸びている。この角度の持つエネルギーは特別に強い。
なぜならいろんな精霊が大勢出入りするから・・・いわば地球の上の精霊達の交通の要所。
だから自然神の支配と保護があまねく行きわたっている。
小さな島国が繁栄している理由はそこにもあるのよって彼女は言った。
彼女がこの厳島にとどまる理由はもう聞く必要はなかった・・・
日本と言う国の鬼門を守っていたんだ・・・
もしそれが破れたら日本は危なくなる・・・かもしれないから。
いちきしまはここまで説明して僕がついて来ているかどうか尋ねた。
その説明はとてもわかりやすくそこまでは納得。僕も説明について行けた。
しかし次の話はついて行くのに少し苦労した。
この厳島神社は弥山(みせん)と言う社殿の奥にある山が本当のご神体。
この山は大きな岩で出来ていてとても強いパワーをもっているの。
山頂にも大きな奇岩がいっぱいあるわ。
孤島の上の岩と社殿。陸からそれほど離れていないけど、人間の出す雑念と意識の雑音から隔離されている場所にあるという意味でフランスのモン・サン・ミシェルとエネルギーが似ているのよ。
僕はジュヌビエーブと一緒に訪れたフランスの北部の海の孤島にある古い教会(のエネルギー)を思い出した・・・
確かに似てる・・・かも・・・と僕は思った。
神社と教会は違うけど・・・祈りのための場所・・・
両方とも世界遺産・・・(は多分関係ないけど・・・)
少し前にこの神社が大きな台風で壊されかかったときにわたしは同じエネルギーを持つと思われる精霊に助けを求めた事がある。
誰が答えてくれるのかその時にはわからなかったけど必死に祈ったの。
それにこたえてくれたのがジュヌビエーブなのよ。
彼女はモン・サン・ミシェルのパワーを運んで来てくれたのよ。
と言うよりモン・サン・ミシェルのエネルギーと厳島をつないでパワーを補給してくれたの。
それでこの島はひどく破壊されずにすんだのよ。(・・・だから鬼門が守られた。)
ひぇー、そんなことが出来るのと僕
祈りは通じるのよ・・・といちきしまがにっこりほほ笑んで言った。
「それに弥山の言霊はモン・サン・ミシェルの一部だしね・・・」と彼女は謎めいて言った。
僕はしばらくしてからわかった・・・「あー、モン・サン・みせん」・・・またまたひえー少し無理があー・・・
いちきしまはかまわず進めた・・・
世界はいまひとつになりつつある・・・だからフランスのエネルギーと日本のエネルギーがつながったの。
以前ならこれはあり得ないことよ・・・
だから・・・あの時の台風は単なる災害ではなくて、これを加速するために自然神が与えたチャンスだったの・・・
そして私はジュヌビエーブとそれからとても親しい友達になったのよと彼女は言った。
このキーワードがまた僕の耳にこだました・・・
・・・世界はいまひとつに・・・
この動きを加速するためにいまあなたと私が会っているのよ・・・
台風とか災害がきっかけになる必要はもうないのよ・・・
そ、そうだね・・・と僕。
美人はいつも少し強引・・・・・・
この続きはまたね
(こんどの姫は疲れるな~)