みんな元気ですか
昨日の続き
僕はパリのブローニュの森でジュヌビエーブの気配を探した。もし会えたらちょっとでも言葉を交わしたかった。でも彼女の気配は近くにはなかった。マリア様がみせてくれたビジョンは時間を飛び越えた映像だからしかたがないし・・・と思った。僕が大好きなジュンに会えないのは少しさびしい。でもあの景色の中に僕が登場することが出来ないことも理解していた。なぜなら僕は観察者であってあの映像の中の参加者ではないから・・・
僕はマリア様の地球のように大きくて限りない愛を感じていた。そしてこの感動をどのように伝えたらよいか言葉を探そうとした。
その時マリア様は僕に言ったんだ・・・
「イッピー、あなたはこのために生まれて来たんです。今見たこの社会を実現するために生まれてきたんです。」
「私はいつでもあなたのそばに居ます。今までも・・・これからもずっと・・・」
そう言い残して彼女の気配は消えた・・・
僕はそのビジョンにとても勇気をもらった。 僕が関係する未来は言葉にできないほどの感動だった。
人類は進化していた・・・それがどれくらい未来かわからないけど・・・でもそんなに遠い未来じゃないはず。
僕はそれを実現するためにはどんなつらいこともいとわない・・・僕の中で怖れは勇気に変わっていた。
しばらくすると周りの景色はまたもとの日の光がまぶしいセドナの平原に戻っていた。僕の横には前のままのラヒーリオが立っていた。
僕は今見たことを話そうとしたが彼はもうすでに何があったのか知っているようだった。
彼は言った・・・「ありがとうイッピー。僕も今のビジョンを一緒に見せてもらった。君の感動は僕の感動でもあるのだよ。」
そして彼はそれが意味するものを僕に教えてくれた・・・
「人間が植物と話が出来るってどういうことだかわかるかい」と彼は僕に意味ありげに聞いた。
僕は彼の話しを謙虚に聞くことにした。
なぜって彼はメディスンマン・・・どんな植物の博士より実際の植物をしっている。
「それはまず人間がほとんどの病気から解放されると言うことなんだ・・・」と彼は僕が思ってもみなかったことを言った・・・
「仲間が病気になったり怪我をしたら僕たちメディスンマンは薬を植物や虫や鉱物から調合する」
「そのありとあらゆる広い範囲の薬学を僕たちは口伝で師匠から学ぶんだ・・・」
「病気を治すには知識と経験がいるんだ。でも時には一生かかっても学びきれないこともある」
「短い一生のうちに僕たちが学べる病気の種類には限りがある」
僕は大変な興味を持って彼の話を聞いていることを伝えるためにも口をはさんだ・・・「その事と植物と話が出来る事とどうつながるんだい」って。
彼は僕の顔を見ながら続けた・・・
「植物はあらゆる薬のもとなんだ・・・植物だけで治せない病気はほとんどない」・・・と。
あっ、そうなんだと僕はその瞬間に彼の言おうとしていることが分かった。
ラヒーリオは説明の順番を分かりやすくするために僕に病気と薬の話を最初にした・・・
それはどんな病気になってもどの植物が有効なのか植物に聞くことが出来ると言うことなんだ・・・
しかしまず病気にならないためにもっと植物に助けてもらえることもあるんだ。
病気の予防法と薬とを合わせればほとんどの病気から人間は解放される・・・
彼は僕がそのことを理解したのがわかった。
彼は続けた・・・「それだけじゃない・・・植物には人間が知らない自然に関する膨大な知識の貯えがある・・・」
「それらのすべてを植物から教えてもらえるとしたらこれは夢のような話なんだ・・・と言うよりおそらく今まで人類が想像の世界でしか出来なかったことの多くが可能になるんだ・・・」と
「まるで世界の支配者になれるくらいすごいんだね・・・」と僕。
「そう、それくらいすごいことなんだ。そしてこの秘密を求めて歴史の中の偉大な王たちがあらゆる努力を惜しまなかったことなんだよ・・・そして多くの人がそのために犠牲になった・・・」と彼。
「しかし・・・」と彼は続けた。「皮肉なことに人間のエゴでこの知識を独占しようとしていた時代にはその知識は永遠に得られることはなかった・・・」
僕は自分の成し遂げようとしている事の意味の大きさにいまさらながら震えて来た。でもそれは怖れから来るものでは決してない・・・
セドナの森の精霊ラヒーリオは続けた・・・
「人類はこれから急速に進化を遂げる・・・そして今君が見たものを実現する。」
彼はなんだか今までよりもっと大きくなっているような気がした。
なぜってその言葉には大きな力が宿っていた。
「それが出来たのは・・・」と彼は言葉を止めた・・・
僕には次に彼が何を言おうとしているかわかった。
その言葉をはからずも二人で同時に発した・・・
「愛なんだ・・・」
人類は大きな愛に目覚めた・・・植物も動物も鉱物もそのほか一切の地球上の存在に対しての愛に目覚めた。
それだけのことで類としての進化を遂げた・・・劇的な細胞分裂が起きるとかじゃなかったんだ・・・
その結果・・・人間は人間以外の存在と会話が出来るようになった。生きていくためにお互いがお互いを欠くことが出来ない地球上の仲間としてみとめたことによって種としてのコミュニケーションが出来るようになったんだ。
僕はすべてを受け入れると言うことの本当の意味を、現実としての意味をはからずも知ることになった。
それは文字通り自分以外のすべての存在を受け入れると言う意味だったんだ・・・ともに生きて行くのに必要な仲間として・・・
これこそが人類の進化の秘密だった・・・
これこそが人類幼年期の終わりだった・・・
これこそが地球そのものの進化だった・・・
僕は地球の第3の目のチャクラの場所・・・このセドナで・・・ラヒーリオとマリア様の力で僕の使命の秘密を見せてもらった・・・
次に僕が向かうところはもうわかっていた・・・それはハワイ・・・青い海に囲まれたマウイ島・・・
(またまた次の旅に備えて十分な休養をとる僕・・・)