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きょうも植物シリーズ・・・![]()
友達の風さんに聞いたお話し。
日本の建造物は昔から樹木を建材として生かして来た。
樹木を伐採した後も建造物として文字通り第二の命を吹き込んできた。
これに対してヨーロッパでは石を材料とした建造物が主流になっている。
ヨーロッパで石が建造物の材料として主流を占めている理由は単純。
地続きのヨーロッパでは常に隣の国との戦争が絶えなかった。
樹木の家屋ではすぐに敵に燃やされてしまいそれが弱点になる。
だから国を治める王は常に樹木を材料として建造物を作ることを禁じて来た・・・。
日本にはそのような危険はほとんどない。
それに雨が多く樹木も豊富で身近にある。
樹木の建造物には多くの匠の技と人間の叡智がこめられてきた。
古くから為政者は良質の樹木の建材を日本中に求めた。
屋久島の杉の大木は豊臣の時代から本土に運ばれていた。
いまイルカで有名になった御蔵島(みくらじま)では良質の柘植(つげ)の木が取れた。
江戸時代から御蔵島の柘植の木は珍重された。
かたくて丈夫な材質は櫛や入れ歯の材料にもなった。
ちなみに平安時代から柘植の木が入れ歯の材料として使われていた記録がある。
樹齢千年の樹木で作った建物は千年の寿命を持つとされる。
法隆寺の五重塔は世界遺産に登録されている。
1300年位前に作られた世界最古の木造建築。
心の柱は4本のひの木を組合わせた寄木方式で出来ている。
釘は一本も使ってない。
長い時の経過と共に木はねじれる。
そのねじれの性質を逆に強度を増すような組み合わせに利用して柱が作られている。
同時に過去何度も経験した地震にも耐えるように柔構造で設計されている。
柔構造は地震の揺れを各層階が吸収する構造になっている。
安芸の宮島の厳島神社の社殿はどんなに海が荒れても水が奥まで届かない構造になっている。
この厳島神社も世界遺産。
法隆寺の五重塔と厳島神社の共通点は世界遺産と言う事のほかにもある。
それは大自然の力を知り尽くして・・・
それに対抗するような構造ではなく・・・
大自然の力に柔らかく対応するような構造になっていること・・・
この二つの建造物だけでなく・・・日本の各地にそのような遺跡が現存する。
先人が築きあげた大自然と調和する匠の技・・・
僕は思う・・・
これも樹木と・・・
大自然に対する・・・
もう一つの・・・愛の姿・・・
(見えないけど・・・愛はここにもあるんだ・・・
)

