みんな元気ですか
前回の続き・・・
やまとたちはイルカの案内で遺跡の姿を見て回る。
しかし潜水にも限界があるのでそれほど多くは見る事が出来ない。
この遺跡は想像以上に大きな施設群だった。
自分たちだけの力では・・・
偶然の力でも借りない限り・・・その全容を知る事は不可能だった。
そう思うとやまとたちは次に・・・このイルカたちは
なぜ遺跡の事を教えてくれているのだろう・・・
なぜ彼らはこの遺跡の秘密が公になることをいとわないのだろうか・・・
という思いにとらわれた。
その想念をイルカは素早くキャッチする・・・
やまとは「想い」がそのまま相手に伝わる事をあらためて知る・・・。
「あなた達の疑念はよく分かります。
僕たちも実はそのことについて考えてみました。
しかしもう時期が来ていると判断をしました。
僕たちはある決断を下しました。
この遺跡には遠い過去の文明が残した未来への贈りものがあります。
それなりの資格のある人が受け取るべきものです。
この贈りものを受け取る人たちはそれなりの義務を負う事になります。
しかし心配はいりません。
その義務を果たすのに何も犠牲にする必要はないからです。
その事を可能にする助けになるように
僕たちはあなた達にもうすでに一つの
能力を送りました。
それがビジョン交信能力です。」
やまとは全員を代表して想念を返す。
「あまりに事が早く進むので少し戸惑っています。
しかし僕たちは十分理解しながらついて行く事が出来ます。
君たちにもらった能力のおかげで物事を理解する・・・
経験を自分のものにすることが
とても素早く出来るようになって来ているから・・・。
あなた達の配慮にはみんなが深く感謝しています。
心からお礼が言いたいと思っています。
しかし事が早く進むためにその時間もない。
でもいつかきっとこのお礼をしたいと思っています。」
イルカが答える・・・
「分かります。
そしてそう言ってくれてこちらこそありがとう。
僕たちはこれで望む時にいつでも会話をすることが出来ます。
僕たちは精霊・・・どこにでも行く事が出来るし・・・。
それにワクーマとつきのにはここに来ればまたいつでも会う事も出来ます。
僕たちはすでにもう友人です・・・。」
直接みんなの脳に届いたそのメッセージはあたたかかった。
本当にあたたかかった。
やまとたちの胸に震えるものがうまれた・・・。
その感動をイルカたちも感じているらしい。
しかしイルカたちは先を急いでいる。
感慨にふける時間はなかった。
イルカたちは一通りのツアーガイドを終わると
とある建物らしい遺跡の前でとまる・・・。
そこは教授がやまとたちに記憶に残しておくようにと言った場所・・・
そしてあのクリスタルが埋まっている場所だった。
そして言った・・・
「僕たちが急いでいる理由を気にしているようですね・・・
そのことを説明します。
それは天体の位置と関係があります。
太陽と地球と月が一直線に並ぶ時ある事が起こります。
この遺跡のある場所で・・・。
実は今日がその日です・・・。
このタイミングを逃すと再びその機会が来るまで
長い間待つことになります。」
栞とジョアンはすぐにその天体の位置関係の意味を理解した。
それをすぐに他のみんなとビジョンで共有する・・・。
するとやまともすぐにそれを理解した・・・。
やまとが言う・・・「なるほど~・・・」
その理解のタイミングのずれを栞が笑う・・・「ふふふ・・・」
それを見てイルカも笑った・・・「ききき・・・」
全員が笑いの大合唱になる・・・。
みんなが感じていた・・・
このイルカたちと一緒にいるとなんだかワクワクして
何もないのに心から笑いたい気持ちになる・・・
その気持ちをやっと解放出来た・・・。
沖縄列島黒島の沖の海の表面に・・・
その時・・・奇妙な水紋の輪が連続して広がっていた・・・。
ダンが乗っている船が妙に揺れていた・・・
この続きはまたね・・・
(あんときは・・・みんなでよく笑ったよ~・・・)