みんな元気ですか
タイムトラベラーのおはなし・・・
彼らの足跡は時々古い言い伝えや
人々のひっそりとした会話の中に残っている。
こんな形で・・・
昔むかしあるところに野原や山で遊ぶのが大好きな男の子がいました。
その子供はいつも木や花と話をしていました。
その子にはほかにも変わったところがありました。
山で遊んでるといつのまにか姿をくらませてしまうのです。
そんな時には村人が総出で子供を探しに山にはいります。
いくら捜しても見つからないのだけどしばらくすると
元気でひょっこり家に帰ってくるんです。
どこに行っていたのだと聞くと楽しそうに
「山のおじさん達の所にいた」と答えます。
子供は大きくなってからもたびたび山に消えました。
家族がどこで何をしていたのか尋ねても「山の人」たちとの約束で
言えないと言ってすべてを語ることはありませんでした。
それでも少しは教えてくれました。
でも普通の人が聞けば不思議な話ばかりです。
例えば沢に落ちて骨を折るくらいの怪我をしても
山の人たちはその怪我を一晩で治してくれたり
みんなが木や風と話をしたり、
一日で信じられないような距離を移動する・・・とか言うんです。
村人にどうやってそこに行くんだと尋ねられるとこう答えるのです・・・
ある老樹のまわりをぐるりと一周すると
突然「山の人」たちが住む世界に入っているんだ・・・と。
ある時その男は山に行って今度は帰って来ませんでした。
でもその男の家の畑にはそれからはたくさんの作物が取れました。
家族はずっと暮らしに困ることはありませんでした。
そのおじさん達がタイムトラベラーなのか
それともこの男の子がタイムトラベラーなのか
ボクには分からない・・・
(もし山の中で見かけても・・・絶対しゃべっちゃだめだよ・・・時空に乱れが起きると・・・帰れなくなるから・・・にひひひ)