不思議な精霊 3 大聖堂の地下の古代の秘密

みんな元気ですかドキドキ

きのうのつづき・・・グッド!

「アートに興味があるのね・・・」

彼女が最初に僕に話しかけた言葉だった。

彼女は生きているときと同じように・・・

いや、それ以上にきれいだった。

ジュンは僕に教えてくれた。

パリは芸術の街。芸術には命が宿る。魂が宿る。

その魂達は沢山のみんなに鑑賞されることをとても喜ぶ。

だから多くの精霊がパリを訪れるんだって。

ジュンはあの戦争の終わりに自分が犠牲になってパリの街を

救った。自分が殺されるかもしれないことはわかっていたんだ。

でもそれが自分の運命であり、役割だと思って受け入れたんだ。

その時に沢山の芸術作品や公園の彫刻や街の建造物などが

彼女に心から感謝の祈りをささげ、賞賛し、そしてジュンの事を

とても誇りに思った。

もちろんパリの街の公園の自然やそこに住む生き物たちも。

そしてその一つ一つの作品に意識がある。

その意識たちの大きな感謝と賞賛とに押されてジュヌビエーブは

パリを守る天使になった。

いまジュンはパリの街に来る精霊や魂のために芸術の心を

伝える役割を果たしている。

世界中にその精霊たちがメッセージを運んで

帰ってくれることを望みつつ。

精霊は本当にきれいなんだよ。

みんなに見せてあげたいくらいだよ。

だって彼女は芸術を守る精霊。だからどんな作品よりきれいなのは

当たり前かもしれないけどね。

ぼくは胸がつまって最初どぎまぎした。

ファルコンでもそうなる時があるのを自分でも初めて知ってびっくり。

でもそれから僕はジュンとすぐに沢山お話をするようになった。

ある日僕はジュンとパリのとある公園のベンチで二人で坐って

いろんなお話をしていた。

イッピーの独り言

(パリの公園)

ファルコンになった僕はジュンの横でさらに人間に変身している。

アジアチックなちょっとイケ面(あは!)ベージュのコットンスーツと

パナマ帽。彼女はいつもの白いローブじゃなくてティーシャツと

ジーンズ。気兼ねが要らないようなラフなスタイル。胸には彼女の

ボスの大天使ミカエルのペンダントが一つ。他にはアクセサリーは

何もつけていない。それだけでも彼女の美しさは際立っている。

いまはボクたちの姿は人間にも見えるからみんながはっとして

振り返って二度見するのがわかる・・・。

二人はまるで公園で語り合う恋人同士・・・ってか~(*^_^*)

ボクは少し舞い上がっているかも・・・あはは!

このひと時は僕にとっては宝物。

僕たちは歴史の話をしていた。

その日ジュンは僕を古い教会に連れて行ってくれた。

そこはパリから少し離れたシャルトルの大聖堂。

12世紀頃に建てられたとされるこの大聖堂はヨーロッパの

歴史そのものなのと彼女は言った。

パリのシテ島にあるノートルダム大聖堂より古い。

イッピーの独り言

(大聖堂を中心としたシャルトルの街/クリック拡大/ウィキペディア)

二人は大聖堂の中にはいった。

内部は祭壇に向かって建物が十字のような形をしている。

中にはいるとものすごく広いんだ。長い時の中で刻まれた人々の

祈りの空気に満ちている。重厚な空気に満ちている。

でも僕には少し重い空気のような気がした。

見上げるとはるか上の方には古そうなステンドグラスを通して

これも重厚だけどきれいな光がさしていた。

ステンドグラスの中の聖人と一緒に描かれた魚がとても不思議。

なぜ魚の絵があるの?ってボクは思った。

彼女はそれが戦いの歴史の象徴だって事だけ教えてくれた。

彼女はさらに僕を大聖堂の地下深く連れて行った。

そこは建物が出来てからおそらく何百年も誰も入った事のない場所。

密閉封印されているからこれからも誰もはいることのない場所。

僕たちみたいな精霊だけしか・・・。

そこにはもうひとつ教会があった。

と言うよりも確かに祈りのための場所だということだけはわかった。

でもキリスト教の教会ではない。

ジュンはこれが歴史なのと言った。

僕にはその意味がわかった。

ここには大聖堂が建つはるか以前から違う文明があったんだ。

ある時代にはドルイドと呼ばれた人たち。

またそれ以前にはケルトと呼ばれた人たち。

それらの文明は大地のエネルギーの強いところに祈りの場所を作った。

彼らはひとりの神ではなく大自然の精霊をあがめた。

時が下りその文明とキリスト教徒の間で激しい戦いがあった。

教会はそんな場所の上に建てられた。

このシャルトルだけではなくヨーロッパ中で同じことが行われたことを。

さらに時代が下りそれは魔女狩りに姿を変えた。

それがうお座の時代。

しかし今、魚座の時代は終わりを告げた。

今までと違って世界中の精霊たちが交流を深めている。

世界中の精霊が一つになりつつある。

その動きはやがて人間の世界にももたらされる。

それは地球の平和への道のり・・・

続きはまたね・・・グッド!

イッピーの独り言

(未来を見つめる精霊の目をする・・・ボク・・・目

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