みんな元気ですか
去りゆく夏にトワイライト・ゾーン・・・
(編集再掲載です)
「真夏の夜の夢」は夏至のころが舞台のシェイクスピアの戯曲です。
妖精や魔女が主役です。
魔法学校ホグワーツもなにかと忙しくなる時期です。
上の写真は・・・
アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア
ホグワーツ魔法魔術学校の校長です。
ちなみにこのお話とは無関係ですが・・・あは!
それは今と同じようなぜかじめじめした蒸し暑い夏に
イギリスのロンドンで本当に体験した実話です。
いまから数年前にイッピーパパがアメリカの投資銀行にいた頃
仲間と会議をするために同じ会社のロンドン支店に
出張に行った時のことでした。
泊ったのはロンドンの中心地ソーホーという地区にあるサボイホテル。
1800年代後半創業のかなり古い歴史のあるホテルです。
インテリアもアールデコで統一されていて
決して近代的ではないけれど・・・
どちらかと言うと古きよきイギリスの伝統を大切にしているホテルです。
ロンドンになじみのある方ならおわかりいただけるかもしれませんが
ストランドから少し奥まったところに建つホテル。
国鉄と地下鉄が通るチャリング・クロス駅から徒歩約5分。
すぐそばにとても賑やかなウェストエンド、シアターランド、
トラファルガー広場、コンベント・ガーデンだけでなく、
ロンドンで一番大きなショッピングエリアにも近い場所にあります。
ホテルの背後にはテムズ川が一望できます。
(クリック拡大)
(サボイホテルから見たテ―ムズのトワイライトゾーンタイム)
そんなにぎやかな場所にあるホテルにも・・・出るんです・・・
イギリスというところは・・・。
その日会議を終えて仲間たちとおいしいワインで食事をし
そのあと仲間に連れられて会員制のカジノで少し遊び
ホテルに帰ったのは深夜の事でした。
シャワーを浴びて就寝しましたが
時差の関係もありなかなか寝付けません。
しばらくうとうとしましたが、夜中の2時15分の事でした。
なぜ時間をおぼえているかと言うと日本は何時くらいだろうと
気になって時計を見たから覚えていました。
その時です・・・
私の部屋の外を重そうな足音がコツコツ・・・コツコツ・・・
と響きます。
とてもゆっくりとした足音です。
こんな深夜に歩くのはどんな人だろうといぶかしく思いましたが
確かめる気にもならずそのまま通り過ぎるのを待ちました。
でもその足音に少し違和感があるのです。
と言うのもその足音がとても重い感じがしたからです。
サボイホテルの廊下は板張りです。
その上に厚手の緋色の絨毯が敷いてあるので足音がそんなに
響くのがおかしいのです。まるで軍靴のような足音です。
その足音は部屋のすぐ外にまで近づいてきます。
その足音を聞いていたらなんだかうす寒い感じがしてくるのです。
だから心の中で早く通りすぎてくれよ・・・と思います。
でもその足音は自分の部屋を通り過ぎてはくれなかったのです。
私の部屋のそとで立ち止まる気配がします。
私はおいおいなんなんだよ・・・とおもいました。
次の瞬間に信じられないことが起きました。
なんとその足音が私の部屋の中に入って来るのです。
部屋には重い木製のドアがあります。
普通なら・・・そのドアを開けなければ部屋にははいれません。
しかしそのドアが開いた気配はありません。
足音だけが部屋の中に入ってきました。
私はその瞬間に金縛りに遭ってしまいました。
重いものに押さえつけられて身動きをすることもできません。
胸の上に何トンもあるような重さの石を乗せられたような感じでした。
それに恐怖で目をあけることもできません。
相当な威圧感を持った相手です。
眠ったふりをして時が過ぎるのを待ちます。
足音は部屋の中を歩き回って何かを調べているようです。
ベッドに近づいて来ます。
そのまま目をつぶっています。
その「気配」は私が寝ているのを上から見下ろしています。
なんだか息使いまでもが聞こえるようです。
不思議な事に私は目をつぶっているのですが
その「気配」が軍人の恰好をしていることが分かるのです。
立派なひげまでたくわえています。
深い表情をしています・・・。
彼は大きなマントを羽織っていました。
それは最近の軍人の格好ではありません。
おそらくかなり古い時代の人だったとおもいます。
腰には大きなサーベル(剣)を下げています。
もしかすると十字軍の時代・・・。
政治的弾圧に恨みを持っていたテンプル騎士団でしょうか・・・。
しばらくじっとしていると「気配」は探している相手と違うと
思ったのか静かに来た時と同じように部屋から出て行きました。
ドアを開けもせずに・・・。
足音だけが遠ざかって行きます。
もう安心だと思った瞬間にベッドから起き上がろうとして
ベッドの頭にある金属の重い飾りに嫌と言うほど左手の肘を
ぶつけてしまいました。
左手はしばらくジーンとしびれていました。
その痛みの後遺症が10年以上たったいまだに
左手の小指と薬指のしびれとして残っています。
私はあの足音が戻って来ないかしばらくひやひやしていましたが
もう戻って来ることはありませんでした。
翌日仲間にその話をすると
一応真剣に聞いてはくれますがあまり相手にしてくれません。
実害はないし・・・もちろんホテルにクレイムをつけることなど
やめた方がよいと言うのです。
なぜならロンドンではそのような事は頻繁に起きるので
だれもまともに取り上げようとは思わないそうです。
それにイギリスでは幽霊が出る不動産物件は
通常よりかなり高額な評価をされるようです。
仲間の一人は・・・
そんな夜だけ出て来る「気配」と友達になっているそうです。
たまには話し相手にもなってくれると言ってました。
一緒にお酒をちびちびとやりながら・・・
イッピーパパは思い出すのです。
グラスに響く氷の音を聞くたびに
そのロンドンの旅の事を。
その時に飲んでいるのは
もちろん・・・スコッチです!
続きはいつかまたね・・・
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