みんな元気ですか
前回の続き・・・
栞はクリスタルの事をすでに知っていた。
なぜだか自分でも分からない。
ここ2,3日時間がいつもの100倍くらいの速さで流れている。
これは多分イルカが自分にほどこした特殊な脳波調整のせいだろうとは思う。
とは言ってもすべてが非常にクリアーに流れて行く。
しかもすべてに自分が参加しながら・・・。
自分が時のながれに置いて行かれていると言う感覚は全くない。
クリスタルの事は過去生の記憶とも違うと言う感覚もあった。
今までにこの場所はすでに知っている
という記憶がよみがえるような感覚になることは何度かあった。
しかし今回はそれとは明らかに違う・・・。
なぜならば栞にはこの場所の記憶がまるでないのだ・・・。
しかしイルカが言うアスカという都市の名前は何かとても
懐かしい響きがある・・・
その理由は間もなく分かった・・・。
イルカの導きで石嶺教授が中心となってみんなでそのクリスタルを
遺跡の中から掘り起こした。
それは頭の部分が斜め下になって埋まっていた。
栞の頭の中のイメージと全く同じ色合いのクリスタルはその全容を明らかにした。
発掘作業自体はそれほどの困難を伴うものではなかった。
イルカは水の中でのすべての手順を知っていた。
それは全長約2メートル直径約50センチくらいの6角形の巨大なクリスタル。
それはみんなが知っているクリスタルと違い根元と先の方の太さがほとんど変わらないものだった。
しかし先端の頭の部分は鋭角にとがっている。
数万年経った今もその色合いと言い形と言い全く傷やかけているところがない位完璧な形をしている。
海の中でも鮮やかなターコイズブルーの光を放っている。
これを地表でみたらさぞかしきれいなものだろうという想像がつく。
しかしその材質も謎であった。
おそらくダイアモンドのようにとても硬いものだろう。
数万年の間海水に洗われても完全な形を維持しているのだから・・・。
表面に文字がびっしりと彫られている。
文字の形は今までに見たことがない。
どちらかと言うと古代エジプトのヒエログリフに似ているようだ。
教授がクリスタルに触れて見る。
教授は驚いた顔をする・・・。
なぜならそのクリスタルはそれほど硬い材質ではなかったのだ。
それなのに何故これほどの完璧に近い形を長い間保っていられるのか・・・。
教授はそんな表情をしている・・・。
その理由は驚くべきものだった。
イルカの説明によると・・・
材質は今の地球上には存在しない・・・
金属と石英質の物質が溶けあったようなもので出来ている。
このブルーの色はほとんどがその金属材質が持つ色。
最大の特徴はこのクリスタルはあたかも意識を持つように
もし壊れたり破損したら自己補修が出来る。
つまり欠けた部分を補うように自分で成長することができる。
それも天体の位置と関係している。
つまり一年中その補修が可能なわけではなく
数十年か数百年に一度天体が・・・
つまり太陽と地球と月とそのほかの惑星が
ある角度になった時にそれが可能になる・・・。
おそらく複数の天体による引力の作用らしい・・・。
その補修の材料となる材質は海水中の成分・・・
特殊なミネラルから補われている。
言いかえればこのクリスタルはいわば海水の中だけで
この形を保つことが可能になっている。
そしてこのことは当時すでに設計の条件となっていた。
しかし近年海水の微妙な汚染でその条件が少しずつ
変わって来ているらしい・・・
教授はその説明を聞いて本当に驚いたようだ。
理屈では分かるが・・・
それは想像もつかないような進んだ文明だけに可能な技術。
「石の成長を設計する」・・・
この発想自体が今の文明には・・・ない。
その意味では教授の理解力をはるかに超えていたから・・・。
ここまででも本当に天と地がひっくりかえるようなことだった。
しかし・・・
本当の驚きはそのあとに用意されていた・・・
この続きはまたね・・・
(想像を超えることが起きる時はどうするかって・・・よーく寝るんだよ・・・あは!・・・じゃお休み)