山のもののけ 1

みんな元気ですかドキドキ

トワイライトゾーンへようこそ・・・グッド!

山シリーズだよ。

いつもの数年前の2ちゃんねるより

その1.

(落石)

山と言えば20年くらい前に祖父にこんな話をされた事があります。

近所の山に山菜を採りに行った時の話。

はるか上の方から「ずどどぉ~ん!」と轟音が聞こえた。

何事かと上を見たら、山頂からとてつもなく巨大な岩が

転げ落ちて来るのが見えた。ずっと上にあるのに視界を埋めるほどの

大岩で妙にゆっくりとまっすぐ自分に向かって落ちて来る。

「あんな大きなモンが落ちて来るんなら、どうあがいても助からんな」と、

何故か落ち着いた気持ちで見上げていると、大岩は転がりながら

見る見る間に縮んで行き、最後にはビー玉くらいの丸石になって

自分の足にコツンと当たって止まった。

こりゃあ狸か狐かと思い弁当に持ってきたオニギリを一つ置いて

急いで家に帰った。

「でな、そのときの石がこれだ

と神棚から石を取り出した祖父に吃驚したのをはっきりと覚えてる。

その2.

(見るな)

小学生の頃、父親と二人で山道を下っていた。

霧が出ていたので、互いに手を繋いで足元を見ながら歩く。

と…ふいに父親の手に力が籠った。

「お父さん、痛いよ」 そう言って顔を上げた。

父親は前方を睨んだまま険しい表情を浮かべている。

その視線の先を追うと、霧の中にぼんやりと小さな人影が見えた。

「見るな!」 突然、父親が大声で吠えた。

「目をつむれ!儂がいいと言うまで絶対に開くな!」

只事でない剣幕に私は慌てて目をつむる。

そのまま父親に引き摺られるように歩き続けた。

ジャリッ…ジャリッ…

足音が二人の横を通り過ぎる際父親が小さく呟く声が聞こえた。

「ナンマンダブナンマンダブ…」

それから20年あまりの月日が経ったある日

久しぶりに父親と酒を酌み交わしていてあの時のことを思い出した。

「あの人影誰だったんだ?」 と聞くと父親はしばらく黙っていたが

やがて渋々といった様子で言った。

「お前だった」

それっきり何も言わず父親はコップ酒をあおった。

+++

都会の中では日常的な出来事が淡々と過ぎていきます。

人はそれが当たり前のことだと思っています。

しかし日常的である事は実は奇跡かもしれません。

一歩山の中に足を踏み出すとそれがわかる事があります。

都会に暮らしていると自分の感覚がマヒしている事にも気が付きません。

大自然の中では非日常的な事こそが日常なんです。

イッピーの独り言

(君も・・・本当に怖いと・・・こんな顔になるよ・・・ギャーあせる

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