今はもう秋 1 風の妖精

みんな元気ですかドキドキ

遠い夏の日のお話し・・・グッド!

男の子が10才の時に女の子は転校してきた。

子供たちはみんながその都会の女の子に興味深々。

その子の着ている服とか靴やハンカチはその村では

なかなか見なれないものばかり。

その女の子は胸を張って背筋をぴんと伸ばしてあるく。

男の子たちが一緒に遊びたくてその子の後をぞろぞろとついて歩く。

女の子は明るい性格でみんなと仲良くした。

聞かれた事にはちゃんちこたえるし何よりも

自分の意見をきちんと述べる。

そんな女の子はこの田舎の村にはいなかった。

ある時男の子たちが昆虫や小動物をおもちゃにしているのを見て

女の子はかわいそうだからやめなさいと言った。

ガキ大将のケンタはその日を境にして動物をいじめるのをやめた。

ケンタは妹のクッキーと一緒に川で魚釣りをしていた。

照りつける太陽がまぶしい夏の日。

エメラルド色の川面に釣り糸を垂れる。

風もほとんどなく鳥の声とセミの音だけが森に響く静かな午後。

深い森の緑に自分たちも染まってしまいそう。

ケンタはその女の子が一人で川辺にいるのを見かけた。

遠く離れたところにいるので向こうはこちらに気がついていない。

ケンタは女の子に声をかけようとしたけど

何かいつもと違う雰囲気を感じてやめた。

ケンタはその子をじっと遠くから見守る。

妹のクッキーが釣り糸の先の浮きが水面でぴくぴくしているのを見て

お兄ちゃんにそれを教えようとしたがケンタは

人差し指を唇にあてて静かにするように制した。

女の子は木に向かって何かを話しかけているように見えた。

周りに誰もいないのに一人でおしゃべりをしている。

ケンタは見てはいけない物を見てしまったと思った。

目をそらそうとした瞬間いつもと違う事がおきた。

女の子の周りの木が一斉にダンスを始めたように見えた。

彼女の周りの木だけが同じ方向に揺れている。

それはまるで木たちが楽しそうに踊っているように見えた。

ケンタにはその光景の意味が自然と分かった。

女の子は木々に話しかけていたのではない。

風に話しかけていたんだ。

風が女の子に応えて彼女の周りでだけ踊り始めた。

木々もそれに応えた・・・。

そこだけがガラスの囲いで覆われたキラキラ光る

金魚ばちの中の世界のように見えた。

木々に覆われて木陰になっているのに

そこだけが明るく光っていた・・・

(このお話は以前書いたお話の再放送です。

3章まであります。)

続きはまたね・・・グッド!

イッピーの独り言

(君にもあるだろう・・・そんな夏の日の思い出が・・・目

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