みんな元気ですか
きょうは文化の日・・・
ボクはおもうんだ。
よくも悪くも日本の文化と言えば
日本の歴史そのもの。
歴史と言えば和のこころ。
和の心と言えば和歌。
そこで母と娘の和歌を2首。
母の一首 (新古今和歌集)
めぐりあいて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の 月かな
紫 式部 (970~1016)
しばらく会えなかったひとにめぐり会って見たが
それかどうかもとわからないうちに
早くも雲にかくれてしまった夜中の月のように
久しぶりに会ったのにすぐ帰ってしまったあなた
どうしてそんなにいそいで帰ってしまったの
紫式部はとても内気な性格で、夫と死別後
一条天皇の后の彰子につかえ藤原道長に大変
かわいがられたそうです。 また「源氏物語」の著者で
他に「紫式部日記」も書きました。これは中宮が
土御門邸(つちみかどてい)に戻ってから皇子が
誕生するまで書かれていて当時を知る上で
貴重な史料となっています。
娘の一首 (後拾遺集)
有馬山 猪名(いな)の 笹原風吹けば
いでそよ人を 忘れやはする
大弐三位(だいにのさんみ) (生没年不明)
あなたは 私の気持ちがあなたにあるの(有馬)
それともないの(猪名=否)と風にのせて聞くけど
風が笹の野原を騒がせるようにいつも一緒
どうしてあなたを忘れたりするものですか
賢子(大弐三位)は紫式部の娘。母の死後中宮彰子に
つかえていました。そこで一人の若い貴族を好きに
なりました。その貴族とのやりとりの歌です。
有馬山とは今も続く兵庫県有馬温泉です。
この二つの歌は両方ともにあの百人一首に収められています。
1000年も昔にこのような高度な技法で恋の歌を歌える
日本人の心の意識の高さに驚きを覚えます。
歌の内容よりもそのレベルの高さに脱帽です。
先人の心は今も日本人の遺伝子に生きていると思います。
文化の日にいにしえに思いを馳せてみました。
(ボクの不思議写真・・・顔の前の床が異次元空間のゆがみに)