みんな元気ですか
ヒマラヤに住むある犬の想い・・・
ボクはヒマラヤの高地に住んでいる。
ボクはおじいさんに飼われていた。
おじいさんは近くの山に上るのが好きだった。
ボクはおじいさんについてよく一緒に山に登った。
でもおじいさんは歳を取ってもう山に登れなくなった。
そしてある日ボクを残して二度と帰らない旅に出た。
その日は知らない人間が数人で山に登ろうとしていた。
ボクは知ってる。山に登る人間に悪い人はいない。
その人達はこの山が初めてらしく道をよく知らないことが
ボクにはすぐわかった。
ボクは山道を教えるために先にのぼった。
崩れやすい岩の道にさしかかるとそこで待っていてあげた。
人間が崖の下に落ちるといけないから。
ボクが危険を教えるためにここで立ち止まっていることが
人間にはわかっていた。時々いるんだよ。
犬と心を通じることが出来る人間が。
おじいさんと山に登った思い出がよみがえってきた。
ボクは遠い思い出をたどって
いつまでも目の前に広がる景色を眺めていた。
ヒマラヤの中腹で・・・
(参照→ヒマラヤ登山に1週間ついてきた犬
)